7月3日(木)の朝日新聞オピニオン欄に、作家の高村薫さんが、「2025参院選」に関し、
「穴は至る所に」というタイトルの論評を寄稿されていました。
私なりに重要だと思う記述を、次のように要約してみました。
・走行中のトラックが突然に穴に落ちる不条理、税収不足でしかるべき保全管理がなされていない
道路インフラの実態、こうした都市部の土砂災害における消防の対応の困難さも、
一言でいえば、何もかもが古くなってガタがきている感じがする。
・さらに、使い勝手が悪すぎて普及しないマイナ保険証、現場でトラブルが絶えない
医療機関のオンライン資格認証は、多額の予算を注ぎ込んでプログラムを作っても
不必要に複雑だったり過剰だったりで、ほとんどは運用に失敗する。
・こんなIT後進国になった原因はIT技術者の不足にあるが、十分な数のIT技術者を育てて来なかった
社会の硬直性は、一義的には政治や行政から企業まで、戦後世代が時代の変化についてゆく努力を
怠ったことにある。それだけでなく根底にあるのは、抽象的な企画を立てることはできても、
それを具体化して推進するためのシステム設計ができない日本人全般の残念な「資質」である。
・どうやら私たちは、個々人は優秀でも、全体を見通す通時的な発想が苦手なのは間違いなく、
日本人のこの国民性は、成人病のようにゆっくりと国の歩みを蝕んできた。
・最新の日本の相対的貧困率は15.4%で、先進国で最も貧しいが、それでも群を抜いて国内の治安はよく、
それなりに生活を楽しみ、街ゆく人びとの表情も明るい。
しかしそれもそのはず、私たちはそうして〈いま〉だけを見、見たくないものは見ない。
その結果全盛を迎えているのがフェイクニュースであり、YouTubeであり、切り取り動画である。
・巨額の債務残高を抱え、国家の信用が揺らぎつつある日本に、戦争をするカネはない。
さらに、平原のない狭い国土は一発のミサイルにも耐えられない。
この現実だけは変わらないことを肝に銘じておけば、〈いま〉しか見ない私たちでもたぶん、何とかなる。
いや、参院選も近いので、せっかくだからもう少し欲を出し、当面の暮らしだけではないこの国のかたちや、
世界のあるべき姿にも目を配る、真に政治らしい政治を持ちたいと思う。
・仮にトランプ関税に屈することになっても、狂気と強欲に満ちた大国の論理にくみせず、
何としても戦争を回避する意志を持った政治が私たちに必要なのである。
ふぅ~、要約したつもりが、私には要点をまとめる能力がないので、こんなにも長文になってしまいました。
「見えている〈いま〉このときではなく、全体を見通す通時的な発想が大切である」‥。
高村さんの論旨を一行で要約すると、このようになるのでしょうか‥‥?
「この国のかたち」を改めて考える「教材」になりました。
追記
午後5時30分頃には曇り空だったものの、雨は降りそうになかったので庭に散水しました。
ところが、午後6時20分頃から約30分間、突然のように激しい雨が降り続きました。
自分にはとても想定できなかった突然の出来事‥。
そう、それはまるで「人生の縮図」のような出来事です‥‥。