しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

組織と人事

今日30日の日経新聞

大山健太郎・アイリスオーヤマ社長の「私の履歴書」に、

気になる二つの記述がありました。

 

まず一つ目です。

『会社勤めの経験がない私は

 「自分が会社員ならどういう会社で働きたいか」を想像した。

 それは「社員を正しく評価してくれる会社」だ。

 企業理念第3条にも「働く社員にとって良い会社」を目指すと明記し、

 人事評価に工夫を重ねた。鍵は透明性だ。人事への不満は理由が不明だから生じる。

 100%公正な人事は難しいが、全員が納得する人事なら可能だと考えた。』

 

人事において透明性が鍵なのは、大山社長のおっしゃるとおりなのですが、

「全員が納得する人事」は、ほぼ不可能ではないかと私は思います。

評価する側も評価される側も、所詮は人間がすることなので、

どうしてもバイアスがかかってしまうからです。

 

次は二つ目です。

『今の当社は3車線道路だ。

 年功序列は1車線道路。前の車が遅くても追い抜けないが自分も抜かれない。

 役所などは今もこれだ。多くの企業は2車線道路か。

 遅い人は登坂車線に入り、普通の車は走行車線を一定の速度で走る。

 当社は追い越し車線が加わる。

 能力、実力、意欲のある人はどんどん速く走ってもらう。

 3車線式がもっとも公正だ。』

 

これも大山社長のおっしゃるとおりなのですが、

「役所が年功序列の1車線道路」というのは明らかな誤解です。

少なくとも私の今の勤務先は、「能力」と「業績」で多角的に評価され、

課長級以上の抜擢人事などは日常茶飯事になっています。

 

偉そうなことを書いて申し訳なかったのですが、

大山社長が企業理念に「働く社員にとって良い会社」と明記しているのは、

とても素晴らしいことだと思いました。

民間企業でも官公庁でも、職員を大切にしない組織は、

きっと長続きはしないと思います。

 

いずれにしても、「組織と人事」のマネジメントは、

働く者とその職場にとって「永遠の課題」ですよね……。