「失われた30年〜逆転への最後の提言」
(金子勝、神野直彦共著:NHK出版新書)を読了しました。
著書のあとがきで、
神野先生が「最後の提言」の意味を説明されています。
『「最後の提言」と銘を打ったのは、
二つの意味で僅かな時間しか残されていないという覚悟を示している。
一つは「失われた30年」という破局への突入を逆転するための時間が僅かしかなく、
現在がラスト・チャンスだという意味である。
もう一つは二人で政策提言をするために、
残された時間が僅かでラスト・チャンスだという意味である。
もちろん、後者は私が年老い、もはや活動できる時が僅かだからである。』
神野先生といえば、財政学の権威であり、
私達、地方自治体で働く者にとっては「理論的指導者」でもあります。
一度、私の所属する自治体にも遠路講演に来てくださり、お話を聴く機会に恵まれましたが、
中身の濃い講演もさることながら、誠実なお人柄に好感を覚えました。
著書の最後では、金子先生とともに五つの提言をされています。
いずれの提言も傾聴に値する提言であることは言うまでもありませんが、
私が参考になったのは、著書の豊富で適切な「脚注」にあります。
「脚注」を読むだけでも勉強になりました。
対談形式がお好きでない方にはお薦めできませんが、一読の価値はあると思います。
失われた30年―逆転への最後の提言 (NHK出版新書 381)
- 作者: 金子勝,神野直彦
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2012/06/07
- メディア: 新書
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