今日も暑かったうえに、
雷注意報が発令されているせいか、湿度が高く、かく汗もじっとりしています。
さて、今日の日経新聞「経済論壇から」は、
福田慎一東京大学教授の「TPPで競争力強化〜再配分の青写真示せ」でした。
福田教授によると、意外なことに、
所得の再配分のあるべき姿に関する本源的な議論は、
経済論壇では必ずしも多くないそうです。
そうしたなかで、
所得の再配分は「正義」の問題とし、
政治家が大きな図式を示すなど、議論の土台を明確にすることで、
負担と受益のバランスに均衡点を探すことが重要と指摘する、
宇野重規東京大学教授の論評を紹介されています。
『個人の成功は社会あってのものなので、
成功報酬のうちの何割かは社会に還元すべきである。
しかし、恵まれない人というだけで再分配を続ければ、
稼いでいる人のインセンティブを奪い、
結果として社会全体の富を減らしてしまうことになりかねない。
そうならない限りで、ギリギリの均衡点を模索すべきだというのが
同氏による政治哲学者ジョン・ロールズの「正義論」の見方である。』
う〜ん、
公務員を長年やっていると、
この「正義」という言葉には弱く、かつ敏感になっています。
「所得再配分と正義のギリギリの均衡点」は、
果たして模索しても見つかるものなのでしょうか?