谷川俊太郎さんという詩人がいらっしゃることを、
失礼ながら、つい最近まで知りませんでした。
知るきっかけになったのは、
全国紙のコラムに、谷川さんの詩が相次いで掲載されたからです。
まずは、3月28日の日経新聞「春秋」から…。
『「あなたの名前を知り、あなたの仕事を知り
やがてふろふき大根が好きなことを知り……
そうして私たちは友達になった」。
谷川俊太郎さんの「あなたはそこに」という詩である。』
次に、4月7日の読売新聞「編集手帳」から…。
『「かなしみ」という谷川俊太郎さんの詩を引く。
〈あの青い空の波の音が聞こえるあたりに/
何かとんでもないおとし物を/僕はしてきてしまったらしい/
透明な過去の駅で/遺失物係の前に立ったら/
僕は余計に悲しくなってしまった〉(集英社文庫「これが私の優しさです」)』
日経新聞「春秋」は、
転勤や卒業という季節につきものの「別れ」と「出会い」を題材に、
読売新聞「編集手帳」は、
小中学校の始業式と昨今の「いじめ」を恐れる学校事情を題材に書かれていましたが、
それぞれのコラムの中に挿入されていたのが、上記の谷川さんの詩です。
谷川さんの詩が挿入されることによって、
それぞれのコラムは、なんともいえない「趣き」というものを醸し出しています。
それほどに、コラムニストに愛される谷川さんの詩というのは、
ほかにどのような詩があるのか?
興味がわいてきて、
さっそく「自選 谷川俊太郎詩集」(岩波文庫)を購入しました。
日経新聞「春秋」と読売新聞「編集手帳」に掲載された
「あなたはそこに」と「かなしみ」も、きちんと本に載っていました。
考えてみると、私の「本棚」には、詩集というものがあまりありません。
あるのは、石川啄木、中原中也、坂村真民、相田みつを…。
ちょっと嗜好が偏っているのかもしれません。
谷川さんの詩を契機に、今風の詩にも挑戦してみようかな…。
ちなみに、AKB48の曲も、個人的には素晴らしい「詩」だと思っています。
- 作者: 谷川俊太郎
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2013/01/16
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 4回
- この商品を含むブログ (16件) を見る