昨日のこの日記で、「景気は気から」ということを書いたら、
今日の日経新聞の「春秋」には、次のようなことが書かれていました。
『改めて感じ入るのは、景気という言葉の味わい深さだ。
分解してみれば景色の「景」と気分の「気」。
要するに見た目と心持ちの組み合わせだ。
経済学でいう「期待」という言葉にどこか通じている気がする。
とすれば、株高が「期待外れ」に終わった場合の反動が気になる。
こんな不安もやはり、景気の一部なのだろう。』
やはり、全国紙のコラムニストが書かれると、
文章に何とも言えない「奥深さ」というものが出てきます。恐れ入りました。
さて、「経済」や「景気」に関連しての話題ですが、
今月5日付の「溜池通信」は、「経済思想としてのアベノミクス論」でした。
「かんべえ」さんの解説によると、アベノミクスは次のように定義されるそうです。
『アベノミクスとは、狭義ではデフレ脱却を目指す大胆な金融政策であるが、
広義では安倍政権の経済政策全般を指し、
①大胆な金融政策、②機動的な財政政策、③民間投資を誘発する成長戦略、
というパッケージを意味する』
そして、アベノミクスの「三本の矢」については、
誰にでも分かりやすく、しかも機知に富んだお話しをされています。
『思うに「三本の矢」というのは、批判を浴びにくい上手な表現である。
第一生命経済研究所の熊野英生氏は、
「アベノミクスは和洋中・豪華ディナーセットのようなもの。
誰でも好みの料理がひとつは入っているから反論しにくい」と評している。
なるほど、リフレ派は日本銀行のレジームチェンジに拍手を送り、
ケインジアンは補正予算の成立に満足し、
新古典派は成長戦略が入っていることで自らを納得させている。
世にいうアベノミクス論争とは、ほとんどがリフレ政策の是非をめぐるものであって、
この「三本の矢」が間違っているという声は筆者も寡聞にして聞いたことがない。』
「和洋中・豪華ディナー」という表現は、言い得て妙ですよね。
ただ、見方を変えれば、アベノミクスは「節操のない経済思想」ともいえるとか…。
いずれにしても、「かんべえ」さんによると、
「気分」が変わった日本経済が、
「実態」として変化していくのは、これからが正念場のようです。