今日の全国新聞の社説には、
日露首脳会談についての論評が掲載されていました。
各社説の重要な部分を私なりに抜き出してみると、次のようになります。
○朝日新聞
・両首脳が指導力を発揮し、政治の責任で交渉を前に進めようという意欲は評価したい。
だが、領土問題での立場の隔たりは大きい。
・重要なのは、領土交渉と並行して、
経済など利害を共有できる分野の協力を拡大していくことである。
○読売新聞
・暗礁に乗り上げていた平和条約交渉の再開は歓迎したい。
・だが、日露間の隔たりは大きい。
大統領は、1956年の日ソ共同宣言に明記された
歯舞、色丹両島の引き渡しで決着を図る意向とされる。
日本とすれば、2島返還だけでは到底受け入れられない。
・困難さを増す領土問題を解決に導くには、
高度な政治決断と国内をまとめる政治力が必要だ。
そのために、首脳間の信頼関係の構築が欠かせない。
○毎日新聞
・双方の立場の隔たりは大きく、先行きは楽観できないが、
ここ10年間、停滞してきた領土交渉が動き出すことを歓迎したい。
・焦らず、しかし着実に、総合的な視野に立って、
互いの利益になるような「双方に受け入れ可能な解決策」を見いだしていきたい。
○日経新聞
・停滞していた日本とロシアの外交関係を仕切り直し、再構築していくうえで、
実りある訪問だったといえるだろう。
・より重要なことは、激変する国際秩序のなかで、
日ロの長期的な関係をどう再構築していくかだ。
・相互に受け入れ可能な解決策を見いだせるかどうかは、最後は両首脳の決断次第だ。
打開に向けては首脳間の信頼構築はもちろん、
互いに必要な協力相手であるとの認識を築くことが欠かせない。
各社説に共通しているのは、
「首脳会談の成果には一定の評価をするが、領土問題の解決には困難が伴うことから、
長期的、総合的な視点で、日露両国の信頼関係の構築に取り組む必要がある。」
ということでしょうか。
北方四島は、かつて一度も外国の領土になったことはなく、
日本固有の領土であることは間違いありません。
しかし、領土問題の解決策はどうかというと、私にはどの方法が一番良いのか分かりません。
「二島(先行)返還論」、「三島返還論」、「共同統治論」、「面積二等分論」
解決策には、このような選択肢があるけれど、果たしてどの方法が良いのか?
二島返還論が一番現実的に思えるけれども、相手がロシアのことだから、
あとの二島は永久に返ってこないような気がするし、
かといって、四島返還に固執すれば、こちらも未来永劫解決されないような気もするし…。
共同統治は論外だと思うし…。
北は北方領土、南は尖閣諸島
難問を解決するためには、国内世論を喚起し意見集約を図ること、
そして、次世代への啓発と継承が何よりも大切なのかもしれません。
なんとか私たちの世代に、この難問が解決できたらいいのに…。