「キューバ」という国名を聞いて、
コラムニストが連想するのは、やはり「ヘミングウェイ」なのでしょうか?
長年対立してきたキューバと米国が国交正常化の交渉を始めるという報道を受けて、
昨日の日経新聞「春秋」と産経新聞「産経抄」には、
ヘミングウェイと「老人の海」のことが書かれていました。
それぞれのコラムの冒頭は、次のような文章で始まります。
まずは日経新聞「春秋」から…。
『「人間、ぶちのめされたって負けることはねえ」(小川高義訳)。
ヘミングウェイの「老人と海」の主人公の独白である。
この一節を、キューバのフィデル・カストロ前国家評議会議長は
「国の歴史を貫く鬨(とき)の声だ」と受けとめ、
集会や行進のスローガンにしたという。』
次に産経新聞「産経抄」から…。
『米国の文豪、アーネスト・ヘミングウェーが、
キューバの沖合をヨットで航行中、手こぎボートに乗った老人が、
巨大な魚と格闘しているのを目撃する。
手助けを申し出ると、「あっちへ行け」と拒まれた。
ヘミングウェーは老人の様子をじっと見つめて、メモを取っていたという。
1952年に発表された『老人と海』は翌年、
ピュリツァー賞に輝き、2年後のノーベル賞につながっていく。』
冒頭の文章は違っていても、
どちらのコラムも、ヘミングウェイがキューバで22年間過ごし、
その後、帰国した米国で自殺したことに触れていました。
この事実からも、
ヘミングウェイとキューバと米国は、切っても切れない縁があるのかもしれませんが、
私が感心するのは、どちらのコラムニストも、
国交正常化の動きから、すぐさまヘミングウェイを連想し、
コラムに反映させたのではないか、ということです。
ところで、
実は、私はこの歳になっても、「老人と海」を読んだことがありません。
これを契機に、読んでみることにしようかな…。
「連想する力」は働かないかもしれないけれど……。