今月1日から日経新聞では、大山健太郎・アイリスオーヤマ社長の
「私の履歴書」の連載が始まりました。
第2回目の今日は、「思いやる哲学」というタイトルで、
東日本大震災の際、社員の方が独自の判断で
被災者の方に無料で灯油を配布されたことを、次のように語られています。
『気仙沼店では寒さの中を並ぶ客に暖房用の灯油を1人10リットルまで無料で配った。
まだ電話が通じておらず、本社と連絡が取れていない。
居合わせたテレビの取材に店長はこう語ったそうだ。
「クビになるかもしれません。それでもいいんです」
緊急時の対応マニュアルを持つ会社は多い。しかし本当の非常事態には役立たない。
書類をめくる余裕はなく、起こることはたいてい想定外。
肝心なのは、その企業の哲学が社員の体に入っているかどうかだ。
報告して指示を待つ社員も対応が遅れる。
私は以前から「ユーザーイン」という哲学を掲げ、
朝礼や研修で繰り返し企業理念を暗唱させてきた。
常に相手の立場に立って考えよという意味だ。
その哲学を身につけ、自分自身で判断し動いた社員たちを誇りに思う。』
この記事を読んで、ヤマト運輸のことを思い出しました。
確か、ヤマト運輸のドライバーの方々も、自らも被災者だったにもかかわらず、
気仙沼などの被災地で自発的に救援物資の配送を始めたと聞いています。
『人間の本当の実力は逆境時に発揮される。』とよく言われます。
これは企業についても同様で、高い志のある経営哲学や現場力のある社員を持つ
まさに「社徳」「社望」のある企業なのでしょうね…。
昨日のこの日記では、シャープは「上から目線」ということを書きました。
でも、これまでも独創的な商品を次々と開発してきた名門企業は、
「決してそんなことはないだろう」と一人のユーザーとして思っています。
シャープは、非常時にこそ底力を発揮する企業でいてほしいです。