雲がほとんどなく晴れ渡った天気が、連日のように続いています。
暖かい日差しに誘われて、彼岸の中日を前に、
今日は実家の墓参りに行ってきました。
さて、今日19日の朝日新聞「折々のことば」は、
建築家・安藤忠雄さんの
『今の子供たちの最大の不幸は、日常に自分たちの意思で何かが出来る、
余白の時間と場所を持てないことだ。』という言葉で、
いつものように、鷲田清一さんの次のような解説がありました。
『自立心を育もうと言いながら、大人たちは保護という名目で、
危なそうなものを駆除して回る。
そのことで子供たちは緊張感も工夫の喜びも経験できなくなった。
安全と経済一辺倒の戦後社会が、子供たちから自己育成と自己管理の機会、
つまりは「放課後」と「空き地」を奪ってきたと、建築家は憂う。
著書「建築家 安藤忠雄」から。』
安藤さんが言われている「放課後」と「空き地」について、
私が子どもの頃は、「放課後」はほとんど勉強せずに、
容易に見つけられた「空き地」で、友達か弟と日が暮れるまで遊んでいました。
母は家計を助けるために細々と内職をしていましたから、
私と5歳年下の弟が家にいない方が仕事に集中できたのかもしれません。
でも、今から振り返ると、母は子どものことは心配ではなかったのかな…?
そして、今、我が家周辺では、
「空き家」と「新築」が交錯した状態になっています。
東隣の「空き家」は、一人暮らしのおばさんが転居されてからは管理する人もなく、
庭木が伸び放題になっています。
一方、西隣の「空き地」は4区画に宅地造成されて、
先日、「空き地」となっていた最後の区画の地鎮祭がありました。
古くからこの地区に住んでいる人は高齢化が進み、
一方で、新築のたびにご挨拶に来られるご家族は、皆さんお若くて、
子どもさんも、これからの成長が楽しみな年代ばかりです。
私の孫娘を含め、この子どもたちには、「放課後」と「空き地」はあるのかしら…?
ないとしたら、どのようにしてこの子たちは、
「自己育成」と「自己管理」の機会と方法を見つけるのかしら…?
安藤さんの言葉と鷲田さんの解説に、深く考えさせられた一日でした。