『語彙力を鍛える~質と量を高めるトレーリング』
(石黒圭著:光文社新書)を読了しました。
著者によると、本書が考える語彙力とは次の等式で示されます。
語彙力=語彙の量(豊富な語彙知識)✖語彙の質(精度の高い語彙運用)
また、著者は、本書は次の①から③の、
言葉をめぐる現代社会の病と闘うために書いたとされたうえで、
以下のように述べられていました。
①言葉の形に価値があるという「信仰」
②言葉を変えれば中身まで立派になるという「幻想」
③目を惹く表現をうみだせば偉くなれるという「風潮」
『無理な背伸びをせず、文脈に合った言葉を選ぶだけでよい。
変に着飾らず、シンプルな言葉を選ぶだけでよい。
言葉の形を強く意識させることを目指すのは素人の発想であり、
言葉の形を意識させずに内容がすっと頭に入ってくる言葉選びを目指すのが
プロの発想です。ところが、この単純で、当たり前のことが難しいのです。』
う~む、なるほど……。
「単純なものほど難しい」というのは、言葉に限らず、この世の真理ですよね…。
ところで、本書のなかで一番心に残ったのは、次の記述でした。
『立て板に水のごとく流れでる言葉は、
一見美しく見えますが、そこには力がありません。
それは受け売りの言葉だからです。
迷い、悩み、ためらうなかから出てくる言葉こそが、
真に力のあるものになるのです。』
私も、迷い、悩み、ためらいながら、この日記を書き続けていきたいと思います。
私が書く言葉には、「力」はまったくありませんけど……。(苦笑)