『書く力~私たちはこうして文章を磨いた』(池上彰、竹内政明著:朝日新書)を読了しました。
本書にはとても参考になる記述がたくさんあり、すごく勉強になりました。
そのいくつかを以下のとおり抜き出してみました。
・「文章力は引き出しの量に大きく左右される」ということ。
テーマが決まったとしても、それに続く中身を作っていくにあたって、
引き出しの量が少ないと、話を自由に展開させることができない。(竹内)
・「伝わらない」というのが、一番まずい。
「伝わらない」文章というのはだいたいにおいて、自分でもよくわからないことを、
自分でもよくわかっていない言葉で書こうとするときにできてしまうもの。(竹内)
・文章というのは、自分が本当にわかっていることを、自分の言葉で書くのが基本。
背伸びをしないで、ありのままで書くのが、「読者を惹きつける文章」への
近道なのかもしれない。(池上)
・どうすれば、よい短文が書けるようになるか。
毎日、文章を書いては削り、書いては削りを繰り返しているうちに、
だんだん「余計な贅肉」が見えてくるはず。(竹内)
・文章がうまくなるためには、とにかく、たくさんの本を読むことが必要。(池上)
・文章を書く「いろは」があるとして、その「い」のところは、「書く」ことではなくて、
「自分が興味を持って読み続けられる良い文章を見つける」ことかもしれない。(竹内)
ところで、以前この日記で、
愛媛新聞一面コラム「地軸」の文章に、「体言止め」が多いことが気になることを書きました。
この体言止めについて竹内さんは、次のように指摘されていました。
『新聞に掲載する文章は、記事でもコラムでも、字数が限られていることと、
動詞や語尾を考えなくてもよいのでラクだということで、体言止めが目立つ傾向にある。
日本語は、同じ語尾が続くと、リズムが悪くなる。
だから、例えば、筆者が「こうだ!」と言い切れない文章が続くときにも、
「~かもしれない」を続けるのではなくて、「~だろう」とか、「~と聞く」とか
「~と言われている」とか、さまざまな表現をひねり出していかなければいけない。
でも、体言止めを使えば、その手間を省略できる。語尾で悩まずに済む。一種の思考停止です。』
さらに、池上さんは、次のようなことを述べられていました。
『「新聞記事は、情報だけを伝えればいい」というのは、手抜きです。
もっと厳しくいえば、「読者に読んでもらう工夫をしなくても、読んでもらえるだろう」
と考えている点では、傲慢ともいえますよね。』
う~む‥‥、どちらも手厳しい‥‥。「書く力」を磨くのは、結構大変なことなのですね‥‥。
まぁ、私は私なりに、肩の力を抜いて、この日記を書き続けて行こうと思います。
- 作者: 池上彰,竹内政明
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2017/01/13
- メディア: 新書
- この商品を含むブログ (2件) を見る