このところよく晴れて、初夏のような天気が続いています。
この陽気で、我が家の庭のヤマモミジは、新芽があっという間に芽吹き始めましたし、
ドウダンツツジは、白い提灯のような花が、遠慮がちに顔を覗かせています。



また、先週は3分咲きだった松前公園の桜は、満開のピークを過ぎようとしていましたが、
たくさんの人がその美しい容姿を、名残を惜しむかのようにカメラに収めていました。



さて、「魔女の宅急便」などで知られる児童文学作家の角野栄子さんが、
「児童文学のノーベル賞」といわれる国際アンデルセン賞の作家賞に選ばれたことを受けて、
今日の朝日新聞「天声人語」には、次のようなことが書かれていました。
『 ~(略)~ ほうきで飛ぶ魔法を使い、新天地で小さな宅急便屋を始める物語は、
各国で読まれている。角野さんは先週、「国際アンデルセン賞」の作家賞に選ばれた。
アニメ映画でご存じの方もおられよう。製作に関わった鈴木敏夫さんは作品を読んだ時、
読者はむしろ若い女性ではないかと感じた。
「田舎から都会に出てきて働く女性たちのことを描いた本」だと思ったと取材で述べている。
忙しそうに歩く人を見て、理由もなくおびえる。
町の何もかもが知らんぷりした顔で動いているように見え、なじめない。
「こんなことじゃいけない。何かあたしにできるものを見つけなくちゃ」。
キキの焦りは、痛々しくもまぶしくもある。就職や進学で新天地に赴く。
必要なのは、小さな魔法の力かもしれない。怖がらずに話しかけられる魔法。
寂しいときにもめげない魔法。ひとりの時間を大切にできる魔法……。
新生活の助けになってくれれば。読んでいてキキの両親に目が行くのは我が年齢のせいか。
厳しく励ます母親、「うまくいかなかったら帰ってきてもいいんだよ」と言う父親。
日本のあちこちにキキとその親たちがいる。4月がまた巡ってきた。』
明日から新年度がスタートします。人事異動などによりメンバーが入れ替わる新年度は、
何度経験しても、期待と不安が入り交じって極度に緊張します。
私はもう魔法が効くような年齢ではないけれど、心と身体のバランスに留意しながら、
明日からも日々の仕事を着実にこなすことができれば‥‥、と思っています。