仕事をお休みした昨日は、午後から「海辺の漢方薬温泉・元気人村」に行ってきました。
平日だというのに、それなりのお客さんが入っていました。ご高齢の方ばかりでしたが‥‥。
そして今日は、終日、雨が降り続きました。
気温は25度に届くことなく涼しくて、ようやく耐え難い暑さから解放されたような安堵感が漂います。
さて、今日8日の朝日新聞デジタル版「異論のススメ」に、佐伯啓思・京都大学名誉教授が、
『安倍首相が3選したら 成長戦略・親米政策の先を』というタイトルの論評を寄稿されていました。
佐伯先生は、外国人から見て日本が好感度トップクラスの国になっていることなど、
5年前に比べて「ムードを変えた」ことを、安倍政権の大きな成果だとしつつも、
「この楽観的ムードで本当に大事なことが先送りされているのではないか」として、
次のように述べられていました。
『今日、われわれを取り巻いている基本的な状況を考えてみよう。
第一に、日本では今後、恐るべき巨大災害が予想されている。
実際には、7年前の東日本大震災によって
われわれは大きな社会構想の転換を迫られていたのではなかったろうか。
第二に、人口減少・高齢化社会の到来であり、
この社会は、もはや成長と競争を軸にした社会ではありえない。
そして第三に、競争そのものがきわめて不安定な状況を作り出している。
それは、経済的には投機資本によるグローバル市場の不安定化を意味し、
政治的には市場や資源をめぐる国家間対立を意味する。
このグローバル競争と不安定な世界に対して日本は長期的にどう対処するのか。
安倍首相の理念はひとつの方向であろう。しかし、この三つの条件を前提とするなら、
私には、安倍首相の成長戦略やグローバル競争路線、そして親米政策も最善とは思えないのである。
より長期的な観点からするより大きな社会構想が必要だと思う。
しかし、与党からも野党からも、またマスメディアからもこの種の議論がでてくる気配はない。
もしも長期政権となるのなら、アベノミクスのその先まで視野にいれた社会構想を語る、
絶好の、そして最後の機会であろう。』
う~む、なるほど‥‥。
でも、佐伯先生の指摘する、「本当に大事なこと」とか、「より大きな社会構想」って、
いったい何なのでしょう?
今夏の「豪雨」、「台風」、そして「地震」で、私たちは国土の脆弱性を改めて認識することになりました。
人口減少・高齢化社会が到来し、人手不足や財源不足が深刻化するなかで、
しかも、グローバルな国際情勢が日々変化するなかで、限られた財源や資源を、
国土強靭化をはじめとする内外の諸課題に、どのようにバランスよく分配・投資していくべきなのか‥‥。
佐伯先生から出された宿題には、容易に回答できそうにありません‥‥。