しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

令和の時代の国造り

日経新聞では、石原信雄・元内閣官房副長官の「私の履歴書」の連載が続いていましたが、

月末の今日がその最終回でした。最終回の今日も、次のような印象に残る記述がありました。


『14年から官邸が各省幹部の人事権を握り、官邸一極集中の政治主導が強まっている。

 政治主導は政策の重点を政治が決めることで、それと行政の公平性・中立性は別の話である。

 法治国家法の下の平等が原則だ。

 支持政党や思想にかかわらず、同じ要件の人が行政から受ける恩恵に差があってはならない。

 有力政治家に忖度(そんたく)して行政の公平性・中立性が冒されるのは民主主義の後退で、

 危険なことだ。官邸が人事権を握る今、勇気のいることだが、役人はこのけじめを守ってほしい。

 政治の側には行政の公平性・中立性を堅持するため、

 人事の運用で各省の意見を尊重するよう望みたい。』


そして、連載の全編を通じて印象に残っているのは、石原さんが尊敬できる政治家として、

竹下登元総理と村山富市元総理の、お二人の名前を挙げられていたことでした。

竹下元総理には「満身創痍でもあきらめない決意を感じた」、

村山富市元総理は「公平無私で責任感の強い方である」と、当時を述懐されていました。

たぶん、お二人とも石原さんの目から見て、リーダーとしての「人間性」に優れていたのだと思います。


そういえば、連載を読んで、現役職員の頃に、石原さんの御講演を拝聴したことを思い出しました。

その時、どんなことをお話しされたのか、もうすっかり忘れてしまいましたが、

誠実そうなお人柄と丁寧で分かりやすいお話しぶりは、しっかりと覚えています。


なお、石原さんは連載の最後に、

『官僚諸君が大きな制度設計に関わる機会はすぐそこにある。

 政と官がよい緊張感を持った令和の時代の国造りに期待したい。』と述べられていました。

「令和の時代の国造り」がどのようなものになるのか、

現役地方公務員を退いた私も、興味と関心を持ち続けていたいと思います。