しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

経済成長はなぜ必要か

今日は「固い」お話です‥‥。


経済成長が社会にとって必要なことは、雰囲気的には理解できるのですが、

それがなぜ必要なのかについては、正直、私には分かりませんでした。

今日、久しぶりに、「経済レポート専門ニュース」のHPを閲覧していると、

独立行政法人経済産業研究所が、『経済成長はなぜ必要か~マクロ経済と少子高齢化

というタイトルのレポートを公表していました。そこでは、次のようなことが書かれていました。


・経済成長が(科学的な実現可能性の有無を度外視して)社会の目標とされること、

 すなわち「経済成長主義」が社会で共有されていることには、いくつかの政治哲学上の理由がある。


・第一の理由は、経済成長は経済政策の目標として現代の「自由主義」と非常に相性がいいことである。

 多様な価値観が広がった20 世紀以降の現代においては、

 特定の価値観に基づく経済政策は、価値観の押し付けと見做され、政治的に支持されない。

 自由な社会の経済政策は価値中立的でなければならない。

 すると、目標にできるのは、消去法で、財やサービスの「総量」すなわちGDP を増やすことしかなくなる。

 こうして個人の多様な価値観を尊重する自由な社会では、価値中立的な経済成長が社会の目標となる。


・第二の理由は、為政者が「清算の日」を先送りできること、である。

 所得再配分という古い約束の履行は、通常、大きな「痛み」をともなうが、

 経済成長が続けば、古い約束の「清算の日」を永久に先送りできる。成長=先送りなのである。

 これが、「経済成長主義」が政治家に人気のある理由だと言える。


・経済成長主義が現代社会で広がる第三の理由は、それが個人の人生に意味を与える面があるからである。

 近代以降、個人の人生に意味を与える社会共有の伝統的価値

 (宗教やコミュニティの価値)は徐々に失われた。その価値を代替したのが、経済成長である。

 個人が力を尽くしても、生活水準が変わらなければ、経済の発展に貢献したという実感は得られない。

 個人が経済に貢献することに自分の人生の意味を見出せるようになるためには、

 経済が「成長」することが必要なのである。

 こうして「経済成長」が現代社会の目標として広くコンセンサスとなる。


う~む、なるほど‥‥。

特に、第三の理由の「経済成長主義が現代社会で広がる第三の理由は、

それが個人の人生に意味を与える面があるからである。」というのは、とても哲学的だと思います。

高度経済成長の恩恵をたっぷりと受けた育った私には、肌感覚で納得できる解説でした。