一昨日14日の朝日新聞一面コラム「折々のことば」は、三島由紀夫の
「昔の人は本のなかをじっくり自分の足で歩いたのです。」という言葉で、
いつものように鷲田清一さんの、次のような解説がありました。
『現代人は小説を「味わう」ことをしなくなったと、作家は言う。
車で移動する時のように主題と筋の展開ばかり追い、
歩きながら足許(あしもと)の言葉の「織(おり)模様」を愛(め)ではしない。
模様には、語の肌合いだけでなく、漢文調の「極度に簡潔な表現」や
俳句風の「尖鋭(せんえい)な情緒の裁断」といった手管もある。
文章を味わう楽しみは「言葉の深い由緒」を探るところにあると。「文章読本」から。』
う~む、なるほど‥‥。
文章を味わう楽しみは「言葉の深い由緒」を探るところにあるですか‥‥。
それがつまり、「本のなかをじっくり自分の足で歩く」ことなのですね‥。
その意味するところは、おぼろげながら分かるような気がします。凡人には難しい所作ですが‥‥。
ところで、三島由紀夫といえば、昨日の日経新聞に、今月の20日から
「三島由紀夫vs東大全共闘~50年目の真実」というドキュメンタリー映画が
公開されるという広告が掲載されていました。
この映画は、万障繰り合わせて観に行きたい‥‥、今からそう心に決めています。