しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

新たな潮流への目配り

西から吹く風が強く冷たく、今日はとても寒い一日となりました。

日中、太陽の日差しが差し込むことのない執務環境の職場では、今も膝掛を欠かすことができません。


さて、日経新聞電子版「BizGate」に掲載されていた

岩村充・早大大学院教授へのインタビュー記事が勉強になりました。

主なQ&Aは、下記のような内容でした。

なお、岩村教授は、日銀の企画局兼信用機構局参事を務めた

金融政策や経営管理研究の第一人者だそうです。


Q 新型コロナの感染で国際的なサプライチェーンの中心だった

 中国の生産活動が止まったこともあり、グローバル戦略を見直す機運も広がっています。

A 雇用慣行や手厚い内部留保、長期的戦略など日本の経営モデルが再評価される可能性がある。

 新型コロナの収束後は、企業価値を決める指標に事業の存続性が重視される。

 足元の業績が好調でも、今回のような事態に対応できない企業には融資しづらい。

 従業員の確保は何より大切になる。とりわけ中小企業にとって守るべきは信用であり雇用だ。


Q 自己資本利益率ROE)の向上や株主還元の充実などが投資の重要な判断材料でした。

 日本企業の多くは現金を溜め込んで、設備投資も株主に対して配当還元もしないという

 外国人投資家らの声は根強いです。

A 経営環境の大変化にも堪えられる内部留保が企業の強さを測るカギになる。

 行き過ぎた「集中と選択」への反省も今後の大きな経営課題だろう。


Q 国際通貨基金IMF)は20世紀前半の世界大恐慌時に次ぐ景気後退になると予測しています。

A 世界恐慌後の世界は金兌換(だかん)券の停止と財政拡大という政策セットを採用した国から、

 不況から脱出している。先進国の1番手はドイツで英国、日本と続いた。

 米国やフランスは回復が遅れた。しかし金兌換券の停止は各国の経済ブロックの形成につながり、

 ブロック間の優劣が第2次世界大戦の原因のひとつになった。

 現代の世界でグローバリズムを拒否することは、さらに大きな危機につながりかねない。


う~む、なるほど‥‥。

日本の経営モデルが再評価される可能性があることは、想像だにしませんでした。

岩村教授が記事の最後に指摘されているように、

「中小の経営者は、日本型の経営スタイルを守りつつ新たな潮流への目配りが欠かせない」

のですね‥‥。ただ、経営者の皆さんは「今はそれどころではない」と拝察しますが‥‥。