今日10日の日経新聞「大機小機」に、
よく耳にする「ノブレス・オブリージュ」という言葉について、
次のようなことが書かれていました。
『高い地位には世界共通に無私の行動を促す不文律が伴う。
西欧では「奉仕と犠牲」や「ノブレス・オブリージュ(高貴なる義務)」。
日本でも尊敬される徳目の「無私」「陰徳」「報恩」などはこれらと共通する面がある。
企業トップが内部告発で失脚する例は珍しくないが、
いずれもこうした不文律に抵触した場合が多い。
とりわけ、日本を代表する大企業のトップにはこれらの徳目が必須の要件として期待されている。
この不文律は普段は機能しないが、
ひとたび「いくら何でもそこまでは」という範囲を超えると厳然として機能する。
こう考えると、ゴーン元会長の事件の本質は法的議論とは別にあり、
フランスのことわざを語源とするノブレス・オブリージュから次第に逸脱した結果と思われる。
~ (中略) ~
絶えず激変する経営環境の中、長い目では、無私の精神と人間的魅力を備えた経営トップが
その都度何らかのイノベーションを起こした企業が繁栄を続けている。
こうした特徴を備えた人材が経営トップというタスキをつなぎ、
そのトップの下で全社員が一丸となることが、企業の存続には不可欠である。』
う~む、なるほど‥‥。
「ノブレス・オブリージュ」という言葉は、フランスのことわざを語源とするのですね。
ゴーンさんには、この徳目が欠けていたということなのでしょうか‥‥。とても残念です。
この記事を読んで思い出したのが、「カントリージェントルマン」という言葉です。
『座右の古典』(鎌田浩毅著:東洋経済新報社)には、
この言葉について、鎌田教授の次のような解説がありました。
『平時は田舎でコツコツと仕事をしているが、
国家に急あらば馳せ参じて社会のために能力を発揮する。そして使命が終われば、
また田舎に戻って静かに暮らす本物の紳士のことだ。』
う~む‥‥。(沈黙) どちらも私には縁遠い徳目です。
- 作者: 鎌田浩毅
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2010/11/12
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 21回
- この商品を含むブログ (10件) を見る