「マックス・ウェーバー ~ 近代と格闘した思想家」(野口雅弘著:中公新書)を読了しました。
最後まで読み通すのに忍耐が必要な本でした。
私の理解不足が最たる要因ではありますが、何が書かれていたのか、
読み終わった後も、その内容をほとんど思い出すことができませんでした。
欲求不満を抱えたまま「あとがき」まで読み進めると、
「本書の特徴」について、著者による次のような記述がありました。
『‥‥第二の特徴は、同時代・非同時代を問わず、比較的多くの関連する人たちに触れながら、
ウェーバーの生涯と思想を描こうとした点である。
別の言い方をすれば、本書はウェーバーのテクストを丹念に、
ゴリゴリと読み解いていくという形の「ウェーバー研究」や「ウェーバー学」ではない。
ウェーバーが著作で言及するプラトン、レンブラント、マルクス、トルストイ、イプセン、
同じ時代を生きた森鴎外、ウォルター・リップマン、フランツ・カフカ、
ライナー・マリア・リルケ、クルト・ジンガー、トーマス・マン、スコット・フィツジェランド、
あるいは彼のテキストを参照しながら考えたカール・シュミット、マックス・ホルクハイマー、
エーリッヒ・フロム、ダニエル・ベル、丸山眞男、デイヴィッド・リースマン、
ロバート・ベラーなど、かなり幅広い人が本書は出てくる。
ロールズやアーレントといった、ウェーバーとは相性が悪い政治理論家も登場する。
こうした気の散った書き方は、個々の論点の説明不足につながり、表層的な記述につながる。
そうしたお叱りを受けることになるだろうとも思っている。
しかし、いかにウェーバーを読むかが難しくなっている今日、
このような仕方でウェーバーをめぐる知的連関をスケッチしてみることは意味があると考えた。』
う~む、なるほど‥‥。「気の散った書き方」ですか‥‥。
ちょっと欲張りすぎたのかもしれませんね。欲求不満の原因がようやく分かりました。
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- 作者:野口 雅弘
- 発売日: 2020/05/19
- メディア: 単行本