多くの昭和史ノンフィクションを執筆された、作家の半藤一利(はんどう・かずとし)さんが、
90歳でお亡くなりになったことを、報道に接して知りました。
終戦の玉音放送までの24時間を描いた、半藤さんの代表作「日本のいちばん長い日」は、
本でも読みましたし、映画も観に行きました。
さらに、「昭和史」(平凡社ライブラリー)を読んで、
いかに自分が、中学・高校の歴史教科書で、「表面上の知識」しか学んでいないかを思い知らされました。
そして、今日の日経新聞デジタル版には、「昭和史に教訓 日本人問う」という見出しで、
次のようなことが書かれていました。
『‥‥「戦争は始めるのは簡単だが、終わらせるのは至難の業」が口癖だった。
それゆえ自身が「終戦4部作」と呼ぶ
「日本のいちばん長い日」「聖断」「原爆が落とされた日」「ソ連が満洲に侵攻した夏」のように、
あの戦争を終える際、日本人がいかにもがき苦しみ、血の涙を流したかを描くことにこだわった。
「戦争に負けたときほど日本人が精神の根っこをさらけ出したときはない。
素晴らしい精神性を見せた人もいれば、だらしない人もいた。日本人とは何かがよく分かる」
「戦争」を様々な言葉に置き換えて考えることもできる。
歴史を知ることは物知りになることではなく、日本人とは何者かを知ること。
その材料、教訓は昭和史に山ほどある。それが「半藤史学」だった。』
また、先ほどの「昭和史」の「あとがき」を改めて読み直してみると、
半藤さんは次のようなことを述べられていました。
『‥‥それにつけても、歴史とはなんと巨大で多様で、面白い物語であるかとつくづく思う。
人間の英知や愚味、勇気と卑劣、善意と野心のすべてが書き込まれている。
歴史とは何かを考えることは、つまり人間学に到達するのである。』
コロナ禍の現在も、謙虚に歴史に学ぶことは多いように思います‥‥。