先日、アマゾンの「Prime Video」で、高校生の時に観た「007ダイアモンドは永遠に」を視聴しました。
久しぶりの鑑賞でしたが、初めて観た時のような感動はありませんでした。
それに引き換え、同じ007シリーズでも「ロシアより愛をこめて」は、今も変わらぬ魅力があると思います。
それはさておき、映画の中で、ボンドの宿敵・ブロフェルド(世界規模の犯罪組織スペクターの首領)が、
フランスの文学者、ラ・ロシュフコーの「謙遜は悪質な自惚れだ。」という言葉を引用していることに
今回初めて気が付きました。高校生の時には、何も考えることなく聞き逃していました。
改めて、「ラ・ロシュフコー箴言集」(岩波文庫)を紐解いてみると、
こうした直接的な表現は見当たりませんでした。
たぶん、「謙遜は、誉め言葉を固辞するように見えるが、
実はもっと上手に誉めてもらいたいという欲望に過ぎない。」を指しているのではないでしょうか‥。
さて、話は変わりますが、今日、自民党総裁選が行われ、
河野太郎さんとの決選投票の結果、257票を獲得した岸田文雄前政調会長が新総裁に選出されました。
ほぼ同時期に、同じ大学の同じ学び舎(8号館)で学んだ者の一人として、とても嬉しく思います。
その岸田さんが、今回の総裁選で何度も強調したのは、「国民の声を聞く力」だったとのこと。
さきほどの「ラ・ロシュフコー箴言集」には、次のような箴言があります。
『偉大な素質を持つだけでは十分ではない。それを活かす術が必要である。』
『傑出した資質を持っているからその人は偉いと考えてはならない。
彼がその資質をどう活かせるかを見るべきである。』
岸田新総裁・新総理には、「国民の声を聞く力」という素質・資質を、
主張されてきた政策の着実な実行に、十二分に活かしていただくことを期待したいと思います。