一昨日26日に放映された、NHKスペシャル「認知症の先輩が教えてくれたこと」に、
印象に残ったシーンがありました。
その一つは、認知症となった奥さんが、デイサービスに行く際に財布を持参しようとして、
ご主人が「デイサービスでは必要ないだろう」と言って、奥さんを諭すシーン。
もう一つは、そのご主人が、「奥さんが電子レンジにやかんを入れてお湯を温めようとした」ことを語り、
そして「私も限界来るからね」と、悲痛に語ったシーンです。
同じことは、私の父にもありました。
デイサービスに行く際に、いつも決まってポケットに財布を忍ばせていたこと‥‥。
コーヒーメーカーのポットをIHコンロにかけて、コーヒーを温め直そうとしたこと、
その結果、ポットの底が膨らんで使い物にならなくなったこと‥‥。
その父は、最近、時間の感覚が次第になくなりつつあります。
朝は何回も声をかけないと起きないし、何回も声をかけないと次の動作に進んでくれません。
そうこうしている間に、デイサービスの迎えの時間が刻々と迫ってきて、
こちらとしてはハラハラし、イライラしてきます。
父を乗せたデイサービスの車が、我が家の駐車場から出で行く瞬間が、一日のうちで最も安堵する瞬間です。
そういう父の認知や老化を嘆く私も、昨日まで出来ていたことが、今日は出来なくなりつつあります。
明日は我が身です‥‥。