NHKテレビテキスト、100分de名著「ハイデガー~存在と時間」を読了し、
同時にテレビ番組の視聴も終えました。
テキストの執筆者で番組の指南役は、哲学者で関西外国語大学准教授の戸谷洋志さんでした。
テレビでまず戸谷准教授の解説を聞いて、それからテキストを読むと、内容の理解が進みました。
それでも、最後まで分からなかったのは、ハイデガーがなぜナチスに加担したかということです。
ハンナ・アーレントとハンス・ヨナスの、それぞれの反論の趣旨は何とか理解できるのですが、
「存在と時間」に書かれている内容と、ハイデガーのナチス擁護の現実の行動がどう結びついているのかは、
私には理解不能の領域でした。
いゃあ、それにしても、テキストで引用されていたハイデガーの文章は、ほとんど理解不能です。
なんでこんな複雑で難解な文章になるのかしら‥?
たとえば、次のような‥‥。
『死の無規定性は、根源的には不安のうちに開示されている。
ところが決意性はこの根源的な不安を、みずからのものとすることを試みるのである。
この根源的な不安は、現存在を包むあらゆる隠蔽を取り払う。
こうして現存在は、みずからが自己自身に委ねられていることに直面させられるのである。』
「二十世紀最大の哲学書」といわれる原作を購入しても、
たぶん、ほんの数ページで読むのを諦めてしまうであろう自分の姿が、容易に想像できます。