暦の上では冬になったのに、昨日と同じようによく晴れてポカポカとした陽気になりました。
まさに「小春日和」です‥。
さて、先月29日付けの朝日新聞オピニオン欄に掲載された、「「無知学」から見える世界」と題した
科学史研究者・鶴田想人(つるたそうと)さんへのインタビュー記事。
今日はその後半部分で印象に残った記述を、次のように抜き出してみました。
・デマを増幅させているのは今日の情報環境である部分が大きい。
実際、フェイクニュースは事実よりも早く遠くまで拡散することが研究で示されている。
今後はAI(人口知能)が、現実とほとんど見分けがつかない「ディープフェイク」を
半ば自動で生み出していく可能性がある。
・一方、なぜ人々がデマや陰謀論を信じてしまうのかも分析が必要。
大事なのは、単に人々のリテラシーや知識不足のせいにはしないこと。
「無知」だと非難しても問題は解決しない。
・無知学は、「知らない」ことを、個人の問題ではなく社会や集団の問題として見ていく。
個人の努力によって正しい情報に到達することが困難な時代だからこそ、
構造的な視点で問題を捉え、解決策を探すことが重要だ。
・個々の情報が正しいか正しくないかを一つ一つ判断するのは現実的ではないからこそ、
相手の手のうちを知り、警戒しておくことは重要だ。
基本的なことだが、自分を含めた人間がいかに誤りやすい生き物であるかを自覚しておくことが大事。
う~む、なるほど‥。
最後の「人間が誤りやすい生き物であるかを自覚しておくこと」という結論は、
なんだかソクラテスの「無知の知」のような雰囲気が漂いますよね‥。
今は「個人の努力によって正しい情報に到達することが困難な時代」といわれると、
絶望的のようにも思われますが、鶴田先生の
「各自が「これだけは確実」と思えるものの上に、とりあえずの足場を見つけていくこと」というご指摘に、
希望を見いだしたいと思います。はて、その「足場」はどうやって見つければいいのだろう‥‥?