日経平均株価が昨日、節目の2万円を大きく割り込みました。
株式市場は、トランプ政権の混乱を火元とした「トランプ不況」を警戒しているようです。
そのトランプさんについて、同じ日に日経新聞「創論」に掲載された
『歴史家が語るトランプ氏』というタイトルの記事が勉強になりました。
英米を代表する二人の歴史家に、「トランプ論」についてインタビューしたものです。
二人の歴史家のうち一人は、
英米帝国史や、キッシンジャー元米国務長官の評伝を書いたファーガソン氏、
もう一人は、ホロコーストの研究に力を注いできたスナイダー氏。
二人の印象的な発言を、次のとおり抜き出してみました。
まず、ファーガソン氏です。
・大統領は人格ではなく、結果で判断されるべきだ。
多くの欧米の記者は大統領は嘘つきといった問題に縛られ、
政権として実際に何をしているのか評価できていない。
トランプ氏は王様ではなく、ただの大統領だ。
大統領の権力は憲法や官僚体制により抑えられている。
トランプ政権の政策のいくつかは効果的だ。例えば中国との対峙は戦略的に正しい。
・ポピュリズムはファシズムとは違う。保護主義や反移民を叫ぶが、軍事的な側面は薄い。
トランプ氏はイラク戦争は誤りだったと主張し、シリア内戦への介入にも後ろ向きだ。
欧州も軍事色はない。
次に、スナイダー氏です。
・ファシズムは事実に基づく個人の思考力を止め、個人の啓発を阻むことで成り立つ。
民(たみ)を国と指導者に同化させようと感情に訴える。
ナチスドイツは1930年代、事実を探る記者を
「リューゲンプレッセ(嘘つきメディア)」と攻撃した。
・自ら嘘をつき(自分に都合の悪いニュースを)「フェイク(偽)ニュース」』
と攻撃するトランプ氏の手法はナチスドイツと重なる。真実と真実を探る人々を破壊する行為だ。
世界の独裁者はみなフェイクニュースを武器にする。
トランプ氏がナチスの手法を再びはやらせた。
米国の危機は地方紙が壊滅状態に陥り、身近なニュースが出まわらなくなったことだ。
全国紙の声は遠すぎて地方には響かず、ニュースに対して疑心暗鬼になっている。
う~む、なるほど‥‥。
ファーガソン氏のように、トランプ政権を評価する歴史家がいることは、ちょっと驚きました。
ただ、対中国強硬政策の肯定的評価など、言われてみればそのとおりのような気がします。
二人の評価のいずれが正しのでしょうか‥‥?
事実としての歴史が、いずれ証明することになるのでしょうね‥。