しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

少子・高齢化と経済成長

以前、この日記で、ニッセイ基礎研究所が発表した
2020年度までの道府県別の成長率を予測したレポートのことに触れ、
愛媛県の成長率は0.2%で、全国で下から数えて11番目という厳しい結果」
になっていることを書きました。

今回、発表されたレポートは、
「少子・高齢化の進展が都道府県の経済成長に与える影響」という題名で、
少子・高齢化が経済成長に与える論点について分かりやすく解説しています。

レポートの要旨は、次のとおりです。
・経済成長の3大要因として、
 就業者数に労働時間を乗じた労働の投入量、
 資本ストックに稼働率を乗じた資本の投入量、技術進歩などの全要素生産性
 などが挙げられる。
・少子・高齢化の進展に伴う生産年齢人口の減少は、直接的に就業者数の減少をもたらし、
 労働投入量の減少を通じて経済成長を鈍化させる方向に働く。
 生産年齢人口の減少スピードが速い都道府県ほど、経済成長率が低いという関係性がある。
資金供給主体であった家計部門の貯蓄が高齢化により進まなくなれば、
 企業への資金供給が滞り、資本ストックの蓄積が進まなくなる懸念がある。
 しかし、海外からの投資の流入が円滑に進むと、
 資本ストックの蓄積が阻害されない可能性があることや、
 企業に滞留する余剰資金を有効に使うことで、
 資本ストックの蓄積が堅実に進むことも考えられるので、
 高齢化の進展により資本蓄積が阻害されることは想定していない。
・少子・高齢化に伴い、労働投入量、資本投入量ともに伸び鈍化が懸念される中、
 今後、日本が成長を続けていくためには技術進歩による経済成長の押上が欠かせないが、
 少子・高齢化が技術進歩にどのような影響を与えるかは、
 楽観・悲観大きく2つの見方が存在し、明確になっていない。

このあと、レポートでは
少子・高齢化の進展が
今後の各地域、各都道府県の経済成長に与える影響について書かれています。
これまで人口流入等を背景として、
比較的安定的に成長を続けてきた東京をはじめとした大都市圏においても、
2010年代半ばには生産年齢人口が減少に転じることなどを背景に成長率が鈍化し、
地域間格差は縮小に向かうと予測している点は、ちょっと意外な感じがしました。

なお、都道府県別総生産の推計結果では、
愛媛県の平均伸び率は、
2000⇒2010年度は▲0.2%、2010⇒2020年度は0.2%、2020⇒2030年度は0.0%
という厳しい結果となっています。

う〜ん、みんなで頑張らないと‥‥成長が止まってしまう‥‥。