久しぶりに認知行動療法研修開発センターの大野裕先生が執筆されている
日経新聞「こころの健康学」の内容を取り上げたいと思います。
しばらくこの連載コラムの感想を、この日記に書くことがなかったのは、
私の精神状態が、酷暑にもかかわらず、比較的安定していたのかしれません。
ちなみに、今日のタイトルは『小さな喜び 意欲生み出す』というもので、
大野先生は、次のようなことを述べられていました。
『私たちの意欲はただ待っていてもわいてこない。
ボンヤリ横になって待っても、なかなかやる気は出ない。
脳科学的に、やる気は報酬系と呼ばれる仕組みが刺激を受けたときに出てくると考えられている。
やってよかったという思いから生まれるやりがいや、できたという喜びが脳の報酬系を刺激して、
またやってみたい、またやってみようという意欲がわいてくる。
毎日の活動の中で、いつも喜びややりがいを感じることはないかもしれない。
そのときは、大きな喜びでなくてもよいということを思い出すとよいだろう。
私の知人が「シャワーのように小さい喜びを浴びられるとよい」と言っていたが、
ほんの小さな喜びでも、それが次の行動につながる意欲を生み出す。』
う~む、なるほど‥‥。ということは、何事にも「やる気」が出てこない私は、
「脳の報酬系が刺激を受けていない」ということなのかしら‥‥?
ところで、ここに書かれている「ちいさな喜び」といえば、
昨日3日の朝日新聞一面コラム「天声人語」には、次のようなことが書かれていました。
『「いいこと日記」。精神科医の宮地尚子さんがエッセーで書いていた。
その日の良かったことを三つ、簡単にメモするだけという。
悪かったことはあえて書かない。どれほど嫌なことがあったとしても。
そんな日記を続けて宮地さんが見えてきたのは
「いいことはたくさん起きているのに、それらを当たり前のように受けとめて、
じゅうぶん味わっていなかったなあということ」。
なぜうまくいかないのかと不満を持ち、
反省することに多くの時間とエネルギーを費やしていたことも分かったという。
~ (中略) ~
春がスタートの季節とすれば、秋は再スタートのときか。
学生であれば夏休み明けで、学校に行くのがしんどく思えるときがあるかもしれない。
つらいことはある。でも見過ごしがちないいことも、たぶんたくさんある。』
はぃ、分かりました‥‥。私も、不平不満はなるべく言わないように心掛けて、
「ほんの小さな喜び」や「見過ごしがちないいこと」を
なにげない日常生活のなかから見つけたいと思います。