昨日の日記で、「交付国債」と「年金債」のことを書いたら、
今日の日経新聞「大機小機」で、
「年金財源のつけ回し」という記事がタイミングよく掲載されていました。
記事冒頭の記述を、次のとおり引用します。
『基礎年金の国庫負担の増分をどう賄うかは、迷走に迷走を重ねてきた。
発端は2004年の年金改正だ。
この改正によって09年度から、基礎年金の財源に占める国庫負担の割合を、
従来の3分の1から2分の1に引き上げることになった。
このためには毎年度約2.5兆円が必要となるが、
これは恒久財源で賄うというのが本来の趣旨であった。
ところが恒久財源は確保できなかった。』
記事では、ここから「年金財源のつけ回し」のストーリーが始まるとしています。
・第一幕
09年度から11年度(当初)までは、財政投融資特別会計などの埋蔵金を使用。
つまり国の資産を減らして対応。
・第二幕
震災復興のために補正予算を編成(11年5月)。
4兆円の歳出のうち、2.5兆円について、当初予算に計上されていた基礎年金の財源を転用。
結果、年金の支払いは年金の積立金を取り崩して震災復興に充当したことに。
・第三幕
3次補正予算(11年10月)で2.5兆円は、復興債を使って積立金に返済。
この時点で、基礎年金の国庫負担分は復興債によって賄われる。
・第四幕
そして、12年度予算では、交付国債が発行されることに。
年金の積立金を取り崩し、その分は将来求められたら払うことになるが、
現時点では、国が負債を負っていることになり、通常の国債発行と同じ。
そして、記事の最後は次の記述で締めくくっています。
『以上のような対応は、国民への説明責任という点で大きな問題がある。
多くの国民には複雑で分からないだろうからといって、
こうしたごまかしを続けていると、やがては国民の信頼そのものを失うのではないか。』
はぃ、おっしゃるとおりで、まったく同感です。
話は変わりますが、分かりにくい政策を分かりやすく説明することは、
昔は、公務員にとって不得意分野だったのかもしれませんが、
(いや、そもそも分かりにくいまま、説明をしなかったのかもしれません。)
今の時代は、「説明責任が求められる時代」です。
パワーポイントなどを使って政策や法案を分かりやすく説明するのは、
公務員のスキルの一つになっていると感じています。
(私のように歳を取ると、ほとんどついていけませんが‥‥。)