『一体、いつになったら後輩が職場に入ってきてくれるのか…。
そんな思いを抱える若手社員が、新卒採用を減らしている会社で増えている。
人呼んで、「万年ルーキー」。
職場でずっと最年少の彼らは、
伸び盛りのネット企業などで後輩を動かす同世代をまぶしく感じつつ、
今日も電話とりや飲み会幹事に精を出す。』
昨日の日経新聞「生活面」は、「万年ルーキー 職場で焦る」という記事で、
冒頭の書き出しは、上記の文章で始まっていました。
記事では、厚生労働省の賃金構造基本統計調査の結果を紹介していますが、
それによると、
『職場の平均年齢は東京オリンピックがあった1964年に
男性32.9歳、女性が28.2歳だったのが、
2011年には男性42.3歳、女性39.9歳まで上昇した』そうです。
そして、高齢化した職場で、
特に新人が配属されにくい管理部門、専門部門などを中心に、
少ない人数で新人の仕事をこなし続けているのが「万年ルーキー」としています。
実は私の職場も、正規職員13人のうち、一番若い人でも42歳になります。
これは、厳しい財政状況の中、
定員適正化計画に基づいて新規採用を抑制してきたためで、
職場が高齢化しているのは、地方自治体も民間会社と変わりはありません。
こうした事実は、様々な弊害を生み出すと思います。
一つには、記事でも指摘しているように、
万年ルーキーには、
自分のところに指示や判断を求めにくる後輩がいないために、
主体的に考える習慣が身につかず、
指示された仕事だけを漫然とこなす状況になるという「下っ端病」にかかること。
もう一つは、
年齢構成がいびつなだけに、
専門知識や技能等の世代間伝承が、組織としてスムーズに進まないこと。
一昨日のこの日記で、「若者と失業をめぐる問題」について書きましたが、
今の日本は、様々な問題を、若者層にしわ寄せしているような気がしてなりません。