毎年の年頭に、東レ経営研究所の増田貴司チーフエコノミストが公表する
「日本産業を読み解く10のキーワード」というレポートを楽しみにしています。
2013年の10のキーワードは、次のようなものでした。
1 産業空洞化 2 ASEAN 3 スマートシティ
4 地熱発電 5 インフラ需要 6 ビッグデータ
7 デジタルものづくり革命 8 グローバルニッチトップ(GNT)企業
9 シニア市場 10 モノからコトへ
この中でも、私が個人的に興味を持ったのが、9番の「シニア市場」です。
レポートでは、次のような事例を紹介しています。
・ カラオケ店でシニア層向けに相部屋カラオケルームを導入する動き
・ ボウリング場で早起きのシニア層を狙って早朝割引したケース
・ ゲームセンターで施設滞在時間が長いシニア層を狙ったゲーム機や、
シニアが孫と一緒に遊びやすい新機種を導入する動き
・ ファミリーレストランが、シニア層の取り込みを狙って
朝食メニューの充実を図る動き
・ スーパーのイオンが、コンビニと同程度の大きさの店で、
生鮮食品を扱う店を展開
・ コンビニのローソンが、スーパーのような生鮮食品を扱うが、
価格を100円にして量を少なくした商品を売る店を展開
スーパーやコンビニのケースでは、
「少量でも買える」、「鮮度が高い」、「家に近い」、「店が小さい」が
シニア層を獲得するキーワードになっているようです。
う〜ん、この気持ちが分かる私は、既に高齢者の域に達しているようです。
また、レポートでは、
「タイムマシン経営」という聞き慣れない言葉も紹介しています。
日本で開発したシニア層向けの製品やビジネスモデルを海外に持っていけば、
日本と海外とでは高齢化の時差があるため、
あたかもタイムマシンで未来からその製品やサービスを持ってきたかのように、
事業を成功させることができる可能性があるそうです。
レポートが指摘しているように、
「日本は、シニアビジネスの開発や実験の場として、
間違いなく世界の最先端の市場」であることは間違いない事実です。
「向老世代」の自分としては、
高齢者にとって便利な製品やサービスが、次々と生まれることを楽しみにしています。