しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

若者にチャンスを

野村総合研究所(NRI)の
パブリックマネジメントレビュー(2013年2月号)に掲載されていた
『「成長戦略」は若者中心に』というレポートを読んで、共感するところがありました。

それは、次の記述です。少々長くなりますが、引用させていただきます。
『経済が右肩上がりの環境では、
 先人と同じことを決められたとおりに効率的に進めることによって
 成果を手にして成長もできていた。
 今の日本では、良くて横ばいという状況が長く続いており、
 現在の20歳代の若者は
 物心がついた時からずっとこのような環境の中で育ってきたのである。
 こうした状況では、
 知恵を絞って何ができるのか、何かチャンスはないのか、
 チャンスをものにするためにはどんな能力が必要なのかということを、
 上から与えられたやり方ではなく、
 一人ひとりが創意工夫して発見し作り上げていくことが求められる。
 こうした能力や意識を、
 今の日本の若者は潜在的に抱えていると考えている。』

そして、レポートでは、
グローバル化という大きな時代の流れのなかで、
過去の成功体験にしがみついている旧世代では、
新しい価値を生み出していくことは難しく、
思い切って、次世代の若者に対して時間と金を割り当て、
自由闊達に活動できる環境を与えてみてはどうかと提言しています。

このレポートを読んで、「確かにそうだな」と思うところがありました。
…と同時に、一つの疑問も生じてきました。

今、安倍内閣では、
教育再生実行会議」、「規制改革会議」、「産業競争力会議」などを次々に立ち上げ、
有識者による議論が展開されようとしています。
疑問というのは、ひょっとしたら有識者は旧世代に属する方がほとんどで、
議論や提言に若者の意見や視点がどのように反映されていくのかということです。

レポートでは、
『思い切って、次世代の若者に対して時間と金を割り当て、
 自由闊達に活動できる環境を与えてみてはどうか』という文章の前に、
『お仕着せの教育改革や産業重点領域を政府が提示するのではなく』
という文章が入っています。

この文章が妙に気になって、頭から離れないのです。
政府は、どのような分野に、
どこまで介入、あるいは関与することが許されるのでしょうか?