3月8日(金)付けの「溜池通信」を読んで、
「海の価値観外交」という言葉があることを初めて知りました。
安倍総理は、先月22日(現地時間)、
アメリカの保守系シンクタンクである、
CSIS(戦略国際問題研究所)で演説されたそうですが、
この演説の中で、
『日・米・韓・豪という「海洋民主主義国」同士が連携し、
国際的なルールの推進者となり、
「航行の自由」など海という公共財を守って行こう』
というコンセプトを述べられたと「かんべえ」さんは解説されています。
そして、この「コンセプト(=価値観外交)」の性質を端的に説明するものが、
1月18日にジャカルタで行われるはず(人質事件のため、キャンセル)であった
「開かれた、海の恵み」演説で打ち出した、次の「外交5原則」だと解説されています。
① 思想、表現、言論の自由などの普遍的価値の尊重
② コモンズである海は力ではなく、法とルールによる支配を
③ 自由でオープンな、互いに結び合った経済の追求
④ 文化交流の一層の充実
⑤ 未来を担う世代の交流
また、この演説のキーワードとして使われているのが、
「インド洋から太平洋へかけ2つの海が交わるところ」、
すなわち、地理的には南シナ海であり、
この外交5原則は、南シナ海をみずからの内海であるかのように振る舞っている国、
中国に対する牽制として読むことができるそうです。
ちょっと前置きが長くなりました。
「アベノミクス」はすっかり有名になりましたが、
こうした大事な外交5原則を、
日本国民の中で知っている人は、果たして何人いるのでしょう?
「かんべえ」さんが指摘されているように、
国内的に十分に説明されているとは言い難いと思います。
中国は、アメリカなどで、
日本のネガティブ・キャンペーンを積極的に行っていることも耳にしました。
「力ではなく、法とルールによる支配」を国際的なコモンセンスとするためにも、
「海の価値観外交」を
国内はもとより、国外にも積極的に発信していただきたいと思います。
う〜ん、それにしても「外交」は奥が深い。
中国、北朝鮮、ロシア、そして韓国、
こうした国々とお付き合いするのは大変ですよね。
訒小平ではありませんが、次世代には「いい知恵」があるのかもしれません。