しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

糟糠の妻と結婚記念日

今日、3月13日は、私たち夫婦の結婚記念日です。
昭和58年3月13日に結婚式を挙げましたから、30年という節目の年に当たります。

どうやら世間一般では、結婚30周年を真珠婚式というそうですが、
真珠のネックレスなどを妻に贈る「金銭的・精神的な余裕」は、
残念ながら今の私にはありません。(意志がないのかもしれません…。)
というか、たぶん妻は、今日が結婚記念日だということさえ忘れていると思います。

ところで、この日記で妻のことを書くことは、ほとんどありません。
書こうとすると、つい悪口が先行してしまいそうだからです。

  〜(中略)〜

しかし、その一方で、
妻ほど「家族・親族のために自分を犠牲にできる人」はいません。
とにかく、自分のことは後回しにして、一生懸命に人の世話をします。
例えば、慢性気管支喘息の持病を抱えていた母は、
突然の発作に襲われ、呼吸困難な状況に陥ることが度々ありましたが、
その都度、妻が病院に連れて行き、献身的に看護してくれました。

転勤で私たち家族が引っ越した時に、別れ際に母が言った
「○○ちゃん(妻)が近くに居なくなると思うと、片腕をもがれるような思いだ。」
という言葉は、今でも忘れることができません。
おそらく母は、「あの世」でも妻に感謝していると思います。

そして、母が亡くなった後は、父の「生きざま」を見て、
「私が先に亡くなっても、あなたは娘や周りの人に迷惑をかけないよう、
 生活面でも精神面でも自立しないといけない。」というのが、妻の口癖になりました。

「自立」といえば、最近、
定年退職する方の送別会で、私の尊敬する先輩が、
『定年後の第二の人生では、
「自立すること」、「孤独に耐えること」、「感謝すること」の三つが大切だ。』と
主催者挨拶の中でおっしゃっていました。

私がこのような境地に達するのは容易ではないと思われますが、
今日は、30年という月日の重みを噛みしめながら、
既に「空気」のような存在になった妻に、ひっそりと感謝の誠を捧げたいと思います。
糟糠の妻からの「自立」を目指しつつ……。