『安倍晋三 逆転復活の300日』(読売新聞政治部:新潮社)を読了しました。
これまで、
・『消費税 政と官との「十年戦争」』
・『自民党と公務員制度改革』
・『民主党政権失敗の検証』
と、秀逸な作品を立て続けに読んできただけに、
本書はそれらの良書に比べて、少し深堀に欠けているような感じがしました。
本書の「プロローグ」では、
『安倍晋三の劇的な返り咲きから二つの国政選挙で大勝するまでの
300日を迫った。』と紹介されていますが、
300日間の読売新聞政治面の記事を整理・編集したような本でした。
ちょっと評価が低いように聞こえるかもしれませんが、
読売新聞政治部が取りまとめているだけあって、
構成や文章の流れなどは、決して読者を飽きさせることはありません。
この日記に書き残しておきたいのは、
「おわりに」の中の、「黄金の3年間」の解説です。
『「黄金の3年間」とは、それ以前の3年間、
すなわち鳩山政権に始まる民主党政権3年で失ったものもののもの〜
同盟国・米国との信頼関係が著しく傷ついたことや、
それに伴う外交力の低下、あるいはデフレ脱却の糸口をつかめず、
グローバルな産業競争力が徐々に失われ、
衰退する一方だった日本の国力〜を何としても取り戻してほしいという、
半ば切実な願望を込めた言葉ではないかと筆者は思っている。
しかしそれは、相当な困難を伴う3年であるはずだ。』
確かに、
最高裁の違憲状態判決に伴う「選挙制度改革」、
ジャーナリズムや知識人等から批判を浴びている「特定秘密保護法安」など、
困難な案件が目の前に山積しています。
「黄金の3年間」は、あっという間に過ぎてしまいそうです。
政策の優先順位を誤らないように、貴重な時間を大切にしてほしいものです。

- 作者: 読売新聞政治部
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2013/09/27
- メディア: 単行本
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