一昨日(20日)が皇后陛下の誕生日だったことを受け、
昨日は産経新聞「産経抄」に、
そして今日は日経新聞「春秋」に、それぞれ関連するコラムが掲載されていました。
どちらも皇后陛下のお人柄を表す言葉が紹介されて、いたく感動した次第です。
まず、産経新聞「産経抄」には、
児童図書の国際大会開会式の祝辞のなかで、皇后陛下が
「子供を育てていたころに読んだ、忘れられない詩」として紹介されたのが、
「頬(ほほ)」という詩であることが書かれていました。
幼い長男に寄せる母親の究極の愛を読んだ詩で、
その最後は次の一節で結ばれていると、コラムには書かれていました。
この詩の存在を知っただけでも、私にとって大きな収穫があったと思います。
『ただ 自らのよわさといくじなさのために
生まれて何も知らぬわが子の頬に 母よ 絶望の涙をおとすな』
次に、日経新聞「春秋」には、
A級戦犯に対する東京裁判の判決を
ラジオで聞いた中学生の日を振り返られて述べられた言葉が紹介されていました。
『戦争から敗戦に至る事情や経緯につき知るところは少なく、
従ってその時の感情は、戦犯個人個人への憎しみ等であろう筈(はず)はなく、
恐らくは国と国民という、
個人を越えた所のものに責任を負う立場があるということに対する、
身の震うような怖(おそ)れであったのだと思います』
このお言葉を受け、コラムでは、皇后陛下のことを次のように述べています。
『靖国神社参拝という今日の政治問題につながりかねない東京裁判について触れる勇気。
66年前の少女のころの感情にまっすぐ向き合う誠実さ。
その感情を的確に言葉で表す力。』
「勇気」と「誠実さ」と「感情を的確に言葉で表す力」を持ち合わせた全人格…。
見習いたいけど、とても生半可な修練で身に着く素養ではありません。
人格のお手本となるべき方を、
皇后陛下に戴く私たち国民は、つくづく幸せだと思います。