しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

妙案は何処に

宮脇淳・北海道大学公共政策大学院教授の執筆による
公開型Webニュース『新・地方自治ニュース』の1月10日付けの記事は、
統一地方選後を睨んだ2015年度地方財政の課題』の第2回目で、
「地方再生」がテーマでした。

このレポートでは、
安倍政権は、景気の回復感を日本の隅々まで行き渡らせることを
 2015年度内に実現し、
 2016年度の参議院選挙にその成果を結び付ける流れを意図しており、
 こうした流れの中で、
 地方にとって中長期的に重要となるのが「まち・ひと・しごと再生」の取組み成果を
 如何に地域に組み込むかにある」と書かれていました。

そして、地方創生に関する第一の課題は、
人口問題の課題範囲を基礎自治体がどこまで担うのかであると指摘していました。
具体的には、次のように書かれていました。

『昨年前半、消滅自治体議論が提示されて以来、
 大半の地方自治体は待機児童対策、子育て支援
 そして社会的移動による人口確保等の政策を打ち出している。
 
 こうした政策を個別地方自治体が重複的に実施することは
 過剰な競争を生み出す一方で、政策的技法による一時的な達成はあっても
 地域への成果を持続的に定着させることは困難である。
 
 大都市部を中心とした高齢化の急速な進展は、
 医療・介護等の人材の都市部集中を社会システム的に加速させる。

 人口問題に対する地方自治体側の政策的役割には限界があり、
 人口維持に向けた国と地方の役割分担を一層明確化して取り組む必要がある。』

この文章を読んで、正直、愕然としました。
というのも、都市部の高齢化の急速な進展が、
医療・介護等の人材の都市部集中を加速させるということに
私自身、思いが至らなかったからです。

確かにおっしゃるとおりで、
いくら地方自治体が人口確保対策を打ち出しても、
医療・介護等の分野で都市部に需要がある限り、
人材は都市部に流れていくように思われます。
かといって、企業誘致のように
医療・介護施設を地方に移転することで解決できるとは思われないし……。

人口維持について、国と地方の役割分担は果たして明確化できるのでしょうか?
私には、その妙案が思いつきそうにありません。