この二日間、「えひめ国体」高校野球(硬式)を観戦して気がついたのは、
私と同年配ぐらいの熟年夫婦が多かったという事実です。
夫婦で仲睦まじくスポーツを観戦している光景は、まるで詩人・坂村真民さんの
『花咲けば共に眺めん 実熟せば共に食べん 悲喜分ち共に生きん』の世界のようで、
私はとても羨ましく感じた次第です。
娘や孫娘を通じて辛うじて夫婦の絆が保たれている我が家とは大違いです。(苦笑)
さて、話は変わりますが、今日10日に衆院選挙が公示されました。
昨日9日の溜池通信・不規則発言では、「かんべえ」さんが
『明日は公示日』と題して、次のようなことを述べられていました。
・「東京から日本を変える」ということは、小池さんも言ってるし、石原さんも言っていた。
以前から引っかかっていたことなのだが、国と自治体には大きな違いがある。
国家は閉鎖系であり、都市は開放系である。
仮に東京都の政策が嫌な人は、他の道府県に引っ越しするという権利がある。
逆に東京都の側としては、開き直って「ついて来れない人は置いていくよ~」と言えてしまう。
だけど国家にはそれができない。日本人を辞めるのは大変なのです。
・この開放系と閉鎖系の違い、気づいていない人が多いです。
企業のトップの人が、「俺に日本国総理をやらせてくれれば‥」みたいなことを考えるのも同様で、
企業なんて所詮は開放系の組織なんですから、
経営者として成功している人でも、閉鎖系の難しさがまるでわかっていないことがある。
その典型がトランプ大統領で、国家を統合するという仕事を放棄してしまっている。
やっぱりアメリカ大統領ともあろうお方が、
「ついて来れない人は置いていくよ~」では拙いんだよな。
・全体が向かうべきベクトルに合わせて、都市がその方向に先導するのが理想だと思います。
でも、単に政府に文句を言うためだけに、都市が「ええかっこしい」をしていることもある。
野心家が自治体のトップになった時は、特にありがちですな。
小池さんが東京都でやってきたことは、たぶんにそういうところが多かったのではないだろうか。
う~む、なるほど‥‥。
『国家は「閉鎖系」であり、都市は「開放系」である』というのは、言い得て妙だと思います。
東京都に限らず、地方自治体の政策が嫌いな人は、
他の地方自治体に引っ越すという究極の選択肢があるのは、
「かんべえ」さんご指摘のとおりなのですが、
現実問題としては、政策の好き嫌いで引っ越しする人、
または、引っ越しができる人はそう多くはないと思います。
それよりも、このコラムを読んで問題と感じたのは、
開放系地方自治体のトップの方が閉鎖系の国の政策うんぬんを語るという点です。
閉鎖系の国に住んでいることを前提に、
開放系の政策の是非を問うというのが本来の姿なのですね‥‥。