しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

根源的な問いかけ

日経新聞に連載されていた
松本紘・理化学研究所理事長の「私の履歴書」は、先月30日が最終回でした。
そのなかに、次のような印象深い言葉がありました。

『宇宙を研究し、人間とは何か、どこに行くのかという根源的な問いに向き合うと、
 科学の側が思想や宗教に近づいていくような気がする。
 資源の浪費や環境悪化などに歯止めをかけ、
 人類が生存していくには欲望抑止の哲学が必要になる。
 自然との調和を大切にしてきた日本が世界に貢献できることは多いと考えている。
 私があこがれる空海が現代にいれば、何を考え、何をするだろうか。

 私はかねて「未来は予測するものではなく、つくるもの」と言ってきた。
 その仕事をできる限りしていきたい。』

私は、高校2年生の頃から文科系を志向した人間で、
物理や化学といった理数系の科目にはそれ以降ご縁がありません。
ましてや「宇宙」のことなどチンプンカンプン、ほとんど別世界のお話です。

それが、松本さんのような著名な先生が、
「人間とは何かという根源的な問いに向き合うと、
科学の側が思想や宗教に近づいていくような気がする」
ということをおっしゃると、とたんに宇宙や科学が身近なものに思えてきます。

ということは、「逆も真なり」という言葉もありますから、
宗教や思想が科学に近づいていくようなことはあり得るのでしょうか…?

あまりにもレベルが違う話で恐縮ですが、
私の場合、これまでいろいろな本を読んできましたが、
いまだかつて、科学の本に手を伸ばそうと思ったことはありません。

ただこれからは、
「人間とは何かという根源的な問い」については、
「分野・分類の境界がない」ことを念頭に、
歳を重ねても前向きに知識を吸収していきたいと思います。