俳優・樹木希林さんの訃報を受けて、
今日の新聞一面には、追悼のコラムが掲載されていました。
『病との付き合い方も、この人ならではであった。
全身に転移したがんを受け入れ、振り回されはしない。
最後まで仕事を続ける姿は、生きることを楽しむかのようだった。
人生の素晴らしさも悲しさも包み込んだ作品が、残された。
「現在まで、それなりに生きてきたように、それなりに死んでいくんだなって感じでしょうか」。
ひょうひょうとした言葉をいくつも残して、去ってしまった。』(朝日新聞「天声人語」)
『冒頭のインタビュー(注:不登校の情報紙、「不登校新聞」のインタビュー)は、
「学校に行きたくない君へ」(ポプラ社)に収録されている。
もう一つ、樹木さんが子供たちに残した、とっておきの言葉を紹介したい。
「お釈迦さんがね〈人間として生まれることはきわめて稀(まれ)なことだ〉』と言ってるの。
だったらね、生き続けなきゃ、もったいないじゃない」』(産経新聞「産経抄」)
『「全身がん」の公表後も、病気と淡々と向き合う姿が印象に残る。
「善と悪は表裏一体」と、病気を「悪」と決めつけず受け入れた。
そうした態度が画面にもにじみ出ていたのではないか。
樹木さんは、洋服などをリフォームして最後まで使い切ることを徹底していたという。
「十分生きて自分を使い切ったと思えることが、
人間冥利(みょうり)に尽きるってことなんじゃないでしょうか」。
言葉を体現した姿が、くっきりと記憶に刻まれる。』(愛媛新聞「地軸」)
う~む‥‥‥。(感嘆) 「十分生きて自分を使い切る」ですか‥‥。
なんだか「背筋がピンとなる」というか、「身が引き締まる」ような「人生哲学」だと思います。
精神・肉体ともに軟弱な私には、樹木希林さんの生き方は到底真似できそうにありません。