しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

リーダーか、しんがりか?

『しんがりの思想~反リーダーシップ論』(鷲田清一著:角川新書)を読了しました。

 

読み終わると付箋だらけになっていましたが、

その中から、「しんがり」という「思想」に触れている二箇所を、

この日記に書き残しておきたいと思います。

 

『社会がいやでも縮小していく時代、

 「廃」炉とか「ダウン」サイジングなどが課題として立ってくるところでは、

 先頭で道を切り開いてゆくひとよりも、

 むしろ最後尾でみなの安否を確認しつつ進む

 登山グループの「しんがり」のような存在、

 退却戦で敵のいちばん近くにいて、

 味方の安全を確認してから最後に引き上げるような「しんがり」の判断が、

 もっとも重要になってくる。』

 

『リーダーになろうと心がけるより先に、

 まずは賢いフォロワーになれるよう心がけておくこと。

 だが、いざ担がれたときは限られた期間であれ、

 引き受けられる準備を日頃からしておくこと。

 そのことを、亡くなる直前の梅棹忠夫はこんな言葉に約めて語っていたー。

 「請われれば一差し舞える人物になれ」』

 

鷲田さんはこの本の「はじめに」で、『リーダー論、リーダーシップ論というのは、

いまわたしたちがこの社会で直面しているほんとうの課題を

むしろ押し隠すというふうにしか機能していないのではないか。』

とおっしゃっていました。

 

最後まで読んで、その主旨がなんとなく理解できたような気がします。

巷溢れる「リーダーシップ論」について、改めて考えさせられる内容でした。

ちなみに私は、現役時代は「リーダー」、「しんがり」、

そのどちらにもなることができませんでした……。