第30回東洋大学「現代学生百人一首」の入選作が一部紹介されていたので、
私もさっそく同大学のHPを覗いてみることにしました。
紙面で取り上げられた作品以外では、
「母」に関する作品が多かったように思います。例えば、次のような…。
・制服の縫い目見つけて今思う六年間の母の愛情
・「大丈夫。」母に言われた三文字を胸に抱(いだ)いていざ面接へ
・母の字で埋めつくされた母子手帳読んではあふれる涙と感謝
・亡き母の冷えた体に触れたとき心に決めたナースになると
・「ありがとう」死にゆく祖母の耳元にささやく母は娘の姿
・母からの届いた荷物奥底にねむった手紙一番嬉しい
う~む…、まいったな…。
私は、この手の類の作風にめっぽう弱くて、思わず涙腺が緩んでしまいます。
特に、「母からの届いた荷物奥底にねむった手紙一番嬉しい」を読んで、
私も亡き母のことを思い出しました。
京都で大学受験のために浪人生活を送っていた頃、
母がよく差入れに小さな荷物を送ってくれました。
荷物の中には、缶詰やお菓子のほかに、いつも必ず短い手紙が添えられていました。
その母の手紙を読むと、家族との団欒や故郷の情景が
手紙と一緒に運ばれてきたような気がして、涙が自然とこぼれてきたことを
昨日のことのように思い出します。
ですから、この作品を創られた学生さんの気持ちがよく理解できます。
それにしても、「母」という存在は偉大ですね…。
それにひきかえ「父」は、子供にとって存在感が薄いのかもしれません。
学生の皆さんは、たまにはお父さんのことも思い出して、
来年こそは、この「現代学生百人一首」に応募してください。
涙を誘う素晴らしい作品を楽しみにしています。