しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

「母」という存在

昨日15日の朝日新聞天声人語」に、

第30回東洋大学現代学生百人一首」の入選作が一部紹介されていたので、

私もさっそく同大学のHPを覗いてみることにしました。

 

紙面で取り上げられた作品以外では、

「母」に関する作品が多かったように思います。例えば、次のような…。

 ・制服の縫い目見つけて今思う六年間の母の愛情

 ・「大丈夫。」母に言われた三文字を胸に抱(いだ)いていざ面接へ

 ・母の字で埋めつくされた母子手帳読んではあふれる涙と感謝

 ・亡き母の冷えた体に触れたとき心に決めたナースになると

 ・「ありがとう」死にゆく祖母の耳元にささやく母は娘の姿

 ・母からの届いた荷物奥底にねむった手紙一番嬉しい

 

う~む…、まいったな…。

私は、この手の類の作風にめっぽう弱くて、思わず涙腺が緩んでしまいます。

特に、「母からの届いた荷物奥底にねむった手紙一番嬉しい」を読んで、

私も亡き母のことを思い出しました。

 

京都で大学受験のために浪人生活を送っていた頃、

母がよく差入れに小さな荷物を送ってくれました。

荷物の中には、缶詰やお菓子のほかに、いつも必ず短い手紙が添えられていました。

その母の手紙を読むと、家族との団欒や故郷の情景が

手紙と一緒に運ばれてきたような気がして、涙が自然とこぼれてきたことを

昨日のことのように思い出します。

 

ですから、この作品を創られた学生さんの気持ちがよく理解できます。

それにしても、「母」という存在は偉大ですね…。

それにひきかえ「父」は、子供にとって存在感が薄いのかもしれません。

学生の皆さんは、たまにはお父さんのことも思い出して、

来年こそは、この「現代学生百人一首」に応募してください。

涙を誘う素晴らしい作品を楽しみにしています。