今日2日に朝日新聞デジタル版で読んだ
歌謡曲番組に関する次のような記事に、
「ウン、ウン、そうだよね…」と頷(うなづ)いている自分がいました。
『最近、BS局を中心に歌謡曲番組が人気を博している。
1番だけ、ではなくフルコーラスでたっぷりと紹介する番組も目立つ。
はやりの曲を次々と紹介する若者向け音楽番組とはひと味違う、
昔の愛読書を改めて読み直すようなゆったりしたつくりが、
熟年層に支持されている。』
この文章のなかの、
「昔の愛読書を改めて読み直すようなゆったりとしたつくり」は、
とても上手な表現ですね…。
そして、記事はさらに次のように進みます。
『ここにきて、とくにBSでフルコーラスが重視されるのは、なぜか。
歌手がたっぷり歌い番組の時間が長くなってもBSなら放送しやすい。
主ターゲットの高齢者層のニーズにも応えられる。
ただ、背景には音楽の聴き方の激変ぶりと
往時の歌謡曲を見直す動きも垣間見られる。
大衆音楽文化に詳しい立教大の舌津智之教授はメディアの変化に注目する。
今はスマホやパソコンで音楽を視聴する時代になった。
その結果、「地上波の歌番組は曲を短く紹介する場に変わり、
歌をじっくり聴かせるのはBSの役割になった」と分析する。
また、歌謡曲の特徴は「ストーリー性を持つ歌詞」にあるが、
CMやドラマでモデルや若手俳優が
昔のヒット曲を歌う「カバー」のスタイルが普及したことで、
「リズム重視のJポップになれた世代も、
フルコーラスに興味を持ち始めた」という。』
う~む……、誠にご同慶に耐えません。
実は、私も最近、BSで歌番組をじっくり聴くことが多くなりました。
最近観た美空ひばりさんの特集番組などは、
2時間という時間があっという間に過ぎてしまいました。
そして、私のお気に入りは、
BSジャパンの「あの年この歌~時代が刻んだ名曲たち」。
この番組は、どちらかというと、歌謡曲よりもフォークが取り上げられるけれど、
「昔の愛読書を改めて読み直すようなゆったりとしたつくり」は共通だと感じます。
なお、先ほどの記事のなかでは、
音楽番組の演出をされている疋田拓(ひきだたく)さんが、
『歌謡曲は文学作品以上のものになっている。
地方色や季節感を歌いつつ、情も混ぜ込む。
「源氏物語」が今も読まれているように、後世に残るべきもの。』
と述べられていました。けだし、名言だと思います。