しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

父の誕生日を前に

午前中は晴れ間が広がっていたのに、

午後からは大きな雷が鳴って雨も降り出し、急に肌寒さを感じるなど、

今日は変なお天気となりました。

4月に入って、例年だと桜の花も3分から5分咲きぐらいのところ、

今年は変な天気に阻まれるかのように、一向に桜の開花が進みません。

 その桜について、今日の日経新聞「春秋」に次のような一節がありました。

 

『サクラ前線は5月までひと月半かけ列島を染めて行く。

 時至れば咲き、散る。兼好は知性と感性を総動員し、

 花を味わいつくそうとしていたかにみえる。

 その姿勢に自然の摂理への畏敬が潜んでいよう。

 むろん、我々の心の底にも備わっているはずだ。

 花の下にたたずめる回数には限りがある。騒ぐだけではもったいない。』

 

この一節の中の「花の下にたたずめる回数には限りがある。」

という文章を読んで、茨木のり子さんの「さくら」という詩を思い出しました。

『ことしも生きて さくらを見ています

 ひとは生涯に 何回ぐらいさくらをみるのかしら

 ものごころつくのが十歳ぐらいなら

 どんなに多くても七十回ぐらい 三十回 四十回のひともざら

 なんという少なさだろう (以下、~略~) 』

 

ところで、明日、父は89歳の誕生日を迎えます。

父には、(そして私にも)「花の下にたたずめる回数」が

あと何回あるかどうか分からないけれど、

四季を繰り返して循環する時間のなかで、

家族とともに過ごせる時間を持てることの希少さと有難さが、

苦節の一年を経験することによって、ようやく分かったような気がします。

 

さぁ~、明日からは新しい職場です。

気持ちを入れ替えて、平成29年度を乗り切りたいと思います。