昨日は、前の職場の歓送迎会に行ってきました。
自己都合で退職したにもかかわらず、
皆さんから温かい慰労の言葉をいただき、かえって恐縮した次第です。
さて、一昨日12日の朝日新聞一面コラム「折々のことば」を読んで、
少し考えるところがありました。
その「ことば」とは、福島智・東大教授の
『サーカスでのイメージが、そのまま社会的な文脈で
さまざまなリスク対策に使われていることに違和感を覚えます』というもので、
いつものように、鷲田清一さんの次のような解説がありました。
『「セーフティ・ネット」は空中ブランコなどで
落下しても大事に至らぬよう張られた網のこと。
そんな玄人の行為をモデルに福祉を語るのは危ういと、
盲ろうの東大教授は言う。落下時の備えではなく、
そもそも落下しないようにするための足場や手すりこそが必要だと。
彼の前半生を追った記者・生井久美子の「ゆびさきの宇宙」から。』
う~む……。(しばし沈黙)
よく生活保護は「最後のセーフテイー・ネット」と言われますが、
鷲田さんが言われるように、
生活保護に至る前に、就労支援や職業訓練などの「足場」や「手すり」が
必要なのかもしれません。
そのほかには、何が考えられるのでしょう? たとえば、総合的な相談窓口…?
また、落下しないようにするためには、「足場」や「手すり」が必要だけれど、
やむを得ない事情で社会から「落下」した場合には、
何度でも再チャレンジできる対策や条件整備も必要だと感じます。
言い換えれば、「ネット」ではなくて「トランポリン」のようなもの……。
考えてみると、現代社会はリスクに満ち溢れています。
そして、誰もが想定外のリスクに遭遇する危険性があります。
リスクのことばかり考えていると、この世の中、前を向いて進むことができませんが、
やはり「正しくリスクを恐れる」ことは大切だと、コラムを読んで思いました。