しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

適切な距離と記憶の抽斗

『弘兼流 60歳からの手ぶら人生』(弘兼憲史著:海竜社)と

『孤独のすすめ~人生後半の生き方』(五木寛之著:中公新書クラレ)を

ほぼ同時に読了しました。

 

どちらも読みやすくて、読み終えるまでそれほど時間はかかりませんでした。

それぞれの本で、これからの身の処し方、生きていくうえでの心構えなどについて、

参考になった、あるいは印象に残った記述を、次のとおり書き残しておきます。

 

まずは、弘兼さんの本から……。

・奥さんから自立し、嫌われないために、あなたが心がけることは2つあります。

 それは、「奥さんとなるべく一緒にいないこと」、「お互いの距離を保つこと」。

 距離が近づき過ぎると事故が起きる確率が高まるのは、

 人間もクルマも同じなのです。

・夫婦関係を円滑にするために、

 「お互いの距離を適切に保つ」ことが大事だとすれば、

 奥さんと旅行へなどという幻想も早く捨てたほうがいいでしょう。

 奥さんから「旅行に行きたい」とでも言われたのであればかまいませんが、

 「たまには奥さん孝行で旅行にでも連れていってやるか」

 などという上から目線だったら絶対にやめたほうが身のためです。

 

次に五木さんの本から……。

・最近は、未来を考えるより、むしろ昔を振り返ることが大事だと思っています。

 記憶の抽斗を開けて回想をし、繰り返し記憶を確かめるたびに、

 ディテールが鮮やかになってくる。それが、日々の楽しみになるのです。

 過去を振り返るのは後ろ向きだ、退嬰的だと批判する人もいます。

 「高齢になっても前向きに生きよ、それが元気の秘訣だ」という意見も、

 少なくありません。それよりは、あの時はよかった、幸せだった、楽しかった、

 面白かったと、さまざまなことを回想し、なぞっていったほうがいい。

・人間不信と自己嫌悪は、人が明るく生きていく上で大きな障害になります。

 それを、どういうふうに手放すか。

 私はこれも、回想の力によって乗り越えられる考えています。

 

まず、弘兼さんの「奥さんとなるべく一緒にいないこと」は、

私は妻から「うっとうしい存在」と思われていますので、既に実践済みです。(苦笑)

次に、五木さんの「昔を振り返る」は、

私が昭和歌謡曲やフォークソングYouTubeで聴いていると、

いつも妻と娘から「うざい」と言われます。

 

でも、お二人の本を読んで、

なんだか私の生きざまを認めてもらったような気がして、嬉しい気持ちになりました。

♬ こうして目を閉ざせば いつでもあなたに逢える

  そうしてあなたのやさしさ 数えながら生きていける……… 

このさだまさしさんの曲にあるように、私にとって「思い出はゆりかご」なんです。

 

弘兼流 60歳からの手ぶら人生

弘兼流 60歳からの手ぶら人生