ユーミンこと、松任谷由実さんのことが、次のように書かれていました。
『ユーミンの名で愛される松任谷さんが今年の菊池寛賞に選ばれた。広く文化活動をたたえる賞である。
「日本人の新たな心象風景を作り上げた」という授賞理由にふれると、いくつかの曲が浮かんでくる。
悲しいことがあると、開く皮の表紙。「卒業写真」である。
滑走路のような道路を走る「中央フリーウェイ」。2人で風を見たという「埠頭(ふとう)を渡る風」。
「ラブソングを書いているとは思ってないの。
ラブソングという設定をかりて、もっと他の風景とかをいいたいの。日の光や、水の影や」。
重さや湿り気のない風景ゆえに、ひとは自分の恋を投げ入れることができるのだろう。
いま手の中にある恋、壊れた恋、そしていつか手にするであろう恋も。』
う~む、なるほど‥‥。
「日本人の新たな心象風景を作り上げた」というのが授賞理由ですか‥‥。
難しい表現だけれど、「肌感覚」としてわかるような気がします。
ユーミンの曲は大学生の頃、「これでもか‥」というほど聴きました。
ですから私は、ユーミンの曲のなかでも、この頃に聞いた「荒井由美」としての曲がお気に入りです。
それはたとえば、「やさしさに包まれたなら」、「瞳を閉じて」、「12月の雨」、
「何もきかないで」、「あの日にかえりたい」など‥‥。
そういえば、今月12日の毎日新聞「社説」にも、次のようなことが書かれていました。
『バブルが崩壊し、手に入るかに見えた憧れの生活も、はかない幻と消えたが、
曲を聴けば「あの日」が鮮やかによみがえる。
松任谷さんは今年4月の45周年ベストアルバム発売に際して、メッセージを寄せている。
「明日へ一歩を踏み出すために、思い出から力をもらうのです」
歌の力を、あらためて思い起こさせてくれる受賞である。』
はぃ‥‥。私も、ユーミンの曲を聴いて「若かりし、あの頃」を思い出し、
その思い出から明日への活力をもらっている、大勢のファンの中の一人です。