今日は時間的な余裕があったので、久しぶりに国立国会図書館のHPをのぞいてみました。
お目当ては、立法調査資料のレポートです。
すると、「レファレンス」に、『家計資産の現状とその格差~近年の動向と主要国との比較~』
というレポートが掲載されていました。
そこには、「要旨」として、次のようなことが書かれていました。
・我が国の家計資産の格差は、人口構成の変化(高齢化)や時価変動の影響を受けつつ、
金融資産の格差は拡大傾向にある一方、非金融資産の格差は減少傾向にある。
なお、我が国の資産格差は主要国の中で最も小さく、拡大のペースも緩やかである。
・ 資産格差は各世帯のこれまでの働き方や消費の選択が累積した結果が土台となっており、
これを是正することは、所得格差の是正以上に「結果の平等」を目指す意味を持つ。
「機会の平等」は自由な競争の基盤となり、経済の効率性を高めることに寄与するが、
「結果の平等」は、それとは異なり無条件で求めるべきものとは言えない。
しかし、親世代の資産格差が、次世代の「機会の平等」を阻害している可能性はある。
また、リスクに脆弱な世帯の増加は社会の安定を損なう可能性もある。
・ 現状においては、我が国の家計資産格差は主要国と比較して小さいものの、
純資産がマイナスとなる世帯が5% 程度存在するなど
失業や疾病などのリスクに対して脆弱な世帯が増えている。
一方、純金融資産として1 億円以上を持つ富裕層は徐々に増加している。
資産格差が「機会の平等」を歪めたり、社会の安定を阻害したりする状況になっていないか、
その絶対的基準はないものの、少なくとも状況を継続的に確認する必要がある。
その結果は、税制、住宅政策、労働政策、社会保障政策などの議論において、
活用されることが期待される。
う~む、なるほど‥‥。
「貧困の連鎖」ではないけれど、親世代の資産格差が、
次世代の「機会の平等」を阻害している可能性があるのですね‥‥。
私は決して裕福な家庭に育ったわけではないけれど、
両親がコツコツと真面目に働き、子どもの教育に投資してくれたおかげで、
今の自分があると感謝しています。
また、「公正世界仮説」という考え方があるようですが、
いつの時代であっても、「努力すれば報われる」という社会は、
「未来に希望が持てる」というポジティブな意味で、
肯定・維持されるべきではないかと、私は思っています。