今日の朝日新聞一面コラム「折々のことば」は、哲学・人類学者、ブルーノ・ラトゥールの
「権利のうちもっとも基本的なもの、それは安全で保護されているという感覚が持てることである。」
という言葉で、いつものように鷲田清一さんの、次のような解説がありました。
『不意の攻撃に怯(おび)えることも、自分はここにいていいのかと案じることもなく、
安らいでここにいられること。
遊牧民にテントが、難民に保護施設が要るように、人には「被覆」がどうしても要る。
が、同時に頑(かたくな)な同一性(アイデンティティ)や
国境への誘惑からは遠ざからないといけないと、哲学・人類学者は言う。
「地球に降り立つ」(川村久美子訳)から。』
う~む‥‥。
ブルーノ・ラトゥールの言葉は、確かにそのとおりだと理解できますが、
鷲田さんの解説の後半部分、「国境への誘惑からは遠ざからないといけない」は、
どのように解釈したらいいのでしょう‥‥?
いずれにしても、新型コロナウイルスの感染拡大が続く状況においては、
「安らいでここにいられる」という「被覆」というものが、強く求められているように感じました。