今日の日経新聞一面コラム「春秋」は、新型コロナウイルスに関してのコラムでした。
その全文を次のとおり引用させていただき、この日記に書き残しておこうと思います。
『新型コロナウイルスを巡り緊急事態宣言の発令が決まった翌日の土曜、東京の繁華街を歩いてみた。
道路はにぎわい、高級ブティックの玄関やデパ地下では密を作り列をなす人々がいる。
雑談に耳をすまし共通点を見つけた。コロナという言葉が聞かれなかったことだ。
危機感の薄さを責めるべきか。カミュ「ペスト」にこんな一節がある。
病毒を人に感染させないためには気をゆるめてはならず、相当の意志と緊張が要る。
ペスト患者になると疲れる。しかし「ペスト患者になるまいとすることは、もっと疲れる」
「そのためなんだ、誰も彼も疲れた様子をしているのは」(宮崎嶺雄訳)。
海外ではワクチン接種が進み観光も復活し始めた。比べても仕方ないと思いつつ我慢の気力はそがれよう。
「欲しがりません勝つまでは」の標語で国民を総動員できた情報鎖国の頃とは違う。
病床やワクチンの確保で対応のまずさや出遅れが目立ち、
太平洋戦争、バブル崩壊に続く第3の「敗戦」だと見る向きも出てきた。
軍事、経済、医療と分野こそ違うが、3度の敗戦には共通項がある。
縦割りの弊害、根拠なき楽観、科学の軽視、始めたらやめられない組織。
4度目があるなら食料か水か、エネルギーか。予想外の、しかも自信のある分野を突かれるだろう。
国内の資源や備蓄を適切に分配できず、輸入も滞る未来図‥‥杞憂(きゆう)なら良いが。』
う~む、なるほど‥‥。第3の「敗戦」ですか‥‥。
「縦割りの弊害」、「根拠なき楽観」、「科学の軽視」、「始めたらやめられない組織」‥‥。
コラムニスト氏ご指摘のように、確かに今回の新型コロナウイルスは、
日本という国とその国民の持つ「弱点」を、白日の下に晒(はくじつのもとにさら)したように思います。
「4度目の敗戦」が杞憂に終わればよいのですが‥‥。